2018-11-23 Fri 16:35
今までは1人で寝てたけど、さまときさまと暮らすようになってから抱き締められて寝るのが当たり前になった撫香。さまときさまがいない夜は何かを抱いていないと中々寝付けなくなってしまう。どうしたものかと街を1人でぶらぶらと歩いている時に視界に入ったのは白いボディに目付きの悪い 赤い瞳をしたクマのぬいぐるみ。大きさも抱き心地も手触りも丁度良くて即購入。拙い手つきでアロハを作って着せればくまときさまの出来上がり。お披露目するのが恥ずかしくて普段は絶対にさまときさまが見ないゾーンに隠されている。独り寝の夜、さまときさまの香水をかければすっかり眠れるので 重宝するくまときさま。
ある日たまたま仕事が早く終わって帰れないと連絡を入れたけど深夜に帰ってきたさまときさま。速攻でシャワーを浴びて汗やら血やらむさ苦しい男の匂いやら全てを洗い流して寝室へと向かえば大事そうに自分と似たくまのぬいぐるみを抱いて眠る撫香の姿が。 確かに原因は自分にあるし、依存しきっている撫香がさまときさまなしでは夜眠れない事など分かりきっていたことではあるが、自分に似たぬいぐるみを抱いていることが何だか気に食わない。むんずとくまの顔面をひっつかんで引き剥がそうとすれば振動で撫香が目覚める。 何度か瞬いてさまときさまの姿を確認し顔を綻ばせたところで「ぬいぐるみと浮気か?」と低く問えばきょとんとしたあと寝惚けているのか「おかえりなさい、左馬刻さん」と嬉しそうに笑いながら抱き着いてくるからくまときさまを放り投げて撫香を強く抱き締めて布団に潜り込むさまときさま。
翌日ぬいぐるみのことを問えば照れながら「可愛いでしょう?……くまときさんです」なんていうから「可愛いのはてめぇだよ」って言いそうになる。その日を境にくまときさまの出番は減ったとか
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