ゴッドエデン島での特訓の夜。
一行は、洞窟にも見える廃墟の中に布団を敷いて雑魚寝していた。
チームメイト達と一緒に寝ることに興奮した天馬は、眠りについてからも
無意識に目をつぶったまま起き上がったり歩き回ったりし、
サッカーボールを持って寝ていた剣城のところまで這って行った。そして
「サッカーぁぁぁああん」と寝言を言いながら抱きつこうとしてすぐに追い払われた。
「天馬か…自分の布団で寝ろよ」
「うん」
剣城は溜息をつくと再び目を閉じた。天馬は返事だけはしたものの寝ぼけていたため、
すぐそばにある自分の布団には戻らず、おぼつかない足取りで外へ出て行った。

川のそばまで来ると、その近くの茂みの奥に白と黒の模様が見えた。
天馬はそれを見て「サッカーがいる」と思い、引き寄せられるように近づいていく。
模様の正体は大きな蜘蛛であった。ゴッドエデン島で独自の進化を遂げたこの特殊な蜘蛛は、
体長が人間と変わらないほど巨大であり、蜘蛛というより化け物である。
天馬はその蜘蛛が巣を作ろうとしているところに、無防備に足を踏み入れたのだった。


粘ついた白い糸が数本、天馬の体についた。気付かずに棒立ちしている天馬をよそに
蜘蛛は着々と巣作りに励み、糸を何本も天馬に絡みつかせる。
天馬が糸の存在に気付いたときにはもう手も足も動かせなかった。
半分寝たままだった意識ははっきりしてきたが、状況を理解するまでに至らない。
「これって…紐?取れない!なんで!?」
背後から巨大生物が近づいてくる。体に巻きついた糸がぴんと張り、
天馬は1メートルほど上に持ち上げられた。体を動かそうと力を入れても糸はびくともしない。
自分のすぐ下までやって来た生物を見て、天馬は恐怖に総毛立った。
単眼が八つもある黒い顔。太い毛が密集して生えた細くて異様に長い足が八本、白と黒の巨大な腹部。
頭胸部には牙と太い触角のようなものが生えている。

蜘蛛は頭胸部を上に向け、八つの単眼で天馬を見ていた。
夢であってほしいと願った。
だが自分の体の重さも、迫ってくる蜘蛛の不気味さも恐ろしさも、夢にしてはリアルすぎた。
蜘蛛は八本の足のうち前側についた四本を動かし、天馬の方へ少しずつ近づいてくる。
「俺はエサじゃない!来るな!」
天馬のジャージのズボンは天馬が持ち上がった拍子にずれ、下に穿いたトランクスが露出していた。
蜘蛛はエサとして天馬を見ていたのではなかった。色と模様を知覚することができるこの蜘蛛は、
天馬のトランクスの白と黒のサッカーボール模様を、同じ種の蜘蛛の体色だと判断したのである。


蜘蛛の目が天馬のトランクスに近づいてくる。
そしてトランクスの上から天馬のちんちんを上あごでくわえた。
「うっ…やめろってば!」
食いちぎられるのではないかと思った天馬は懸命に身を引こうとしたが、
糸が巻きついているので思うように体が動かない。
なぜ蜘蛛が人間のちんちんに関心を示しているのか、天馬は理解できなかった。
蜘蛛は交尾の際、片方がもう片方の頭胸部にあるこぶ状の突起をあごで挟み、位置を固定する。
たいていの蜘蛛はメスがオスの突起に対してするのだが、希少種のこの蜘蛛は個体全てが両性具有で、
同じ種の蜘蛛同士なら雌雄関係なく交尾できるのである。

天馬は蜘蛛のあごがそれ以上強く咬みついてこないのをかえって気味悪く思った。
蜘蛛は牙を使わず、甘噛み程度の強さでしっかりとくわえてくる。
天馬にとっては脅威以外の何物でもないが、トランクスの中でちんちんは膨らみ始めた。
蜘蛛は、上を向いてくるちんちんを何度もくわえ直し、自分の位置を調整しようとする。
一定のリズムで握っては緩めを繰り返すような動きに、天馬は意思と関係なく腰をうねらせ、
悲鳴とは違う喘ぎ声をあげはじめていた。


天馬はトランクスの中に粘り気を感じた。先走り液でちんちんが濡れているのだ。
真夜中の屋外で、空中で身動きがとれない状態で、
巨大な蜘蛛にパンツの上からちんちんに噛みつかれて感じる人間など聞いたことがない。
自分は感じてなどいない、そう思い込もうとしたが、
蜘蛛がトランクスの湿り気に反応し、口器で天馬の分泌液をすすりはじめた。
「そんなとこに、食べるものなんてない! あっ…」
頭の先についた触覚のようなものを動かした蜘蛛は、その源泉の在処を知ってか
天馬のトランクスの中に頭胸部を入り込ませ、トランクスに垂れた液からちんちんの棒を流れる
液まで吸っている。
蜘蛛は天馬の先走り液を効果的に摂食するために、ちんちんを直接くわえた。
ひとりでに跳ね上がるちんちんを蜘蛛は再びくわえ、粘液を飲みつくさんばかりに
激しい音を立てた。
「やめっ…ああっんっ!」
天馬は下を見た。自分のちんちんを咬んでいる蜘蛛の黒い頭胸部。その先端から生えた
二本の触覚のようなものが、存在感を持って真上を向いて立っている。


天馬が見た「触覚のようなもの」とは触肢(しょくし)と呼ばれるもので、昆虫の触覚とは機能が異なる。
蜘蛛は腹部から射精した自分の精液を触肢で吸い取って貯蔵し、交尾に使うのである。
蜘蛛は八本の足を自在に動かして向きを変え、触肢を動かして挿入場所を探しているようだった。
長い毛を生やした20cmはある触肢が天馬のプリケツの上を移動し、ついに尻穴を探し当てて
触肢を挿入した。
「痛い!!だめ!俺死んじゃうよ!」
何の前ぶれもなくアナルに巨大な異物を入れられたのである。しかも異形の生物に。
尻から血が出ている気がした。痛みに歯を食いしばったが、泣き声と涙が同時に出てきた。
自分はこの暗い夜の森で最期を迎えるのだと思った。
言いようのない恐怖感が、天馬を叫ばせていた。もはやそれは断末魔に近かった。


ちょうどその時、森の中を一羽の巨大鳥が横切って飛んだ。
天馬にはよく見えなかったが、蜘蛛は天馬のアナルを抉るほど大きく体全体でおののき、
天馬に巻きついた糸を引きちぎって一目散に森の奥へと逃げていった。
その巨大鳥は蜘蛛を捕食する天敵だったのである。
天馬は1メートル下の地面に落下しながらも生理現象をこらえることはできず、
放物線状に精液を飛び散らせた。

「ジャージとパンツ洗ってから…みんなのところに帰ろう」
痛みの残る体を起こすと、すぐ近くに川の音を聞いた。
汚れを全部落とそうと服を全部脱ぐ。パンツの中とプリケツ周辺を触ってみる。
粘液が多量についているが、血はどこにもない。あまりの痛さに血が出たと思ったが
実際は出ていなかったようだ。
足を伸ばして川底をさぐると、水の深さはふくらはぎまでだった。川は浅い。
夏なので水温も冷たすぎることはなく、入って座るのにちょうどいい。
天馬は流れる水の中で、蜘蛛に咬まれたちんちんを触った。そしてもう片方の手の指で、
触肢を入れられた尻穴の中を確認してみる。


尻穴には、ドロリとした液状のものがまだ入っていた。それを指で掻き出すと、
辺りの暗さのため色はわからないが、蜘蛛にさっきまで触肢を挿入されていた感覚が生々しく蘇る。
天馬は自分の両手で、蜘蛛の動きを再現した。硬い口器を思い出すようにちんちんに少し爪を立て、
尻穴を自分の指で探った。瞬く間に勃起するちんちんを、目をつぶって扱き立てる。
速い息が川のせせらぎに混じって消えていく。
気付けば頭を下にして四つんばいになり、腰を高く上げて指を出し入れしていた。
こんなに激しいオナニーは今までしたことがなかった。
「誰も見てないから、んっ、いいよね…」

遠くで天馬を呼ぶ声がした。その声が神童であると天馬にわかったのと、
神童が持ったカンテラの明かりが天馬を照らし出したのはほぼ同時だった。
「天馬――!松風天馬――!……あれは!!??」
絶頂に近いところまで来ていた天馬に、オナニーを中断することなどできなかった。
大胆かつ過激な行為を、神童とその後ろにいた剣城の二人に見られたのである。
「うわあああ神童先輩と…剣城も」
二人は天馬の姿が見当たらないので探しにきたようだ。天馬は気が動転するあまり
ジャージとトランクスから手を放し、川に流してしまった。
「帰るぞ、錦も信助も心配してる」
こうしてフルチンの天馬は二人にかかえられ、寝床へと連れて帰られたのだった。



※世界最大の蜘蛛は、南米の熱帯雨林に生息するルブロンオオツチグモといわれている
 体長は10cm近く、脚を広げると20cmを越えるのだとか



 
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