頂物 | ナノ



片瀬さんからチュウ話!!


普通の生活をしてきたと思う。

普通に普通の学校に行って、そこそこ多い友達に、問題ない学力、他よりちょっと暇な部活。至って平凡。強いて違うと言うならば、私は友達より多くの異性と付き合ったことがある所と、他の人よりも好きなものへの執着が強い所くらい。

でもそれくらいで何かが変わるわけでもない。私は普通で、平凡なのよ。



「なあ、ちょっといいか?この辺で宿とかってあったら教えてくれないか?」

ある日、町を歩いていたら二人組に話しかけられた。ぽやぽやした甚平姿の男と、きつそうなお嬢様って感じの女。…組み合わせに違和感を感じたのは、秘密。

「それならあっちの通りにホテルがあるわよ」
「そっか!ありがとな!」
「…行くぞ、ライム」
あの二人は何なんだろう。女の、綺麗な赤髪をポニテにしてみたかったな、なんて思った。



「あ、昨日の!」
次の日、またあの二人組に会った。相変わらず、よくわからない組み合わせ。
「なあ、このあたりでオススメって何かあるか?」
「あんた達、何者なの?」
「あ、名乗ってなかったな!俺はライム、こっちはミオ。俺ら、旅してんだ」


…ふうん。旅、ね。
この世界しか知らない私には、夢のような言葉に聞こえた。


「うわーすごいなー!」
それから、ちょっと話を聞いた。この町には来たばかりだというし、二人とも水タイプだったから、海に連れて行った。夕焼けが綺麗な、この町のシンボル。

「ミオは海は初めか?」
「いや、来たことはあるが…こんな景色は初めて見た」


横目で二人を見る。いい雰囲気ですこと。今彼氏がいないことが怨めしいわ。

でも、見慣れているはずなのに、二人と見たこの夕焼けはいつもと違って見えて…

「ねぇ、いつこの町を出るの?」
「明日あたり、か?」
「…そう」
「時間が合ったら見送りに来てくれよな!」

普通で平凡な毎日が、ちょっとだけ違って見えた。



「あいつ、来ないなー」
「都合が悪かったんじゃないか?」
「ちぇっ…何だよー」
「あら、酷い言いようね」
「あ、来てくれたのか!?」
「当然でしょ?」
「…おい、その荷物はなんだ?」

…怪訝そうな顔。内心にやにやしながら、私は笑顔で答えた。

「ん?あたしもあんた達に付いていくから!あんた達のこと気に入ったし、何よりミオのポニテ姿を見ないなんて、私の名が廃るわ!」
「はあぁ!?」
「いいでしょ、ライム?」
「ああいいぜ!」

仲間が増えたら楽しいよな!、なんてライムは笑ってるけど…これは相当な鈍感ね。

「ほら!次はカイナ?船が出ちゃうから急ぐわよ!」


さあ、この普通で平凡な世界から逃げ出してやろうじゃないの!

私の知らない世界は、思っている以上に面白そうだわ!


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ポニテクラスタ
フーディン♀/フウリ
甚平の子
ラグラージ♂/ライム
お嬢様
ミロカロス♀/ミオ

片瀬さんが拙宅の子達の話を考えて下さったあああああ(^o^三^o^)禿げるかとおもたあああああ!!フウリがスゴく魅力的に思えてくる素敵な文章ありがとうございました!!


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