教官とリカルド氏
アスベル:教官は、リカルドという人物と親しいのですか?
マリク:リカルド? どこの誰だ?
ソフィ:……悪の五人衆の一人。
ヒューバート:違います。
シェリア:某パーティーの保護者(と書いて父親と読む)でしょ?
パスカル:外見やら年齢やら性格やら違うのに、何か似てるんだよね。
マリク:……詳しいな。
アスベル:調べましたから。ただ。
マリク:ただ?
アスベル:聖女は見た目とは異なり、凶暴で乱暴で最強です。気をつけてください。
マリク:は?
アスベル:ヒューバートもな。
ヒューバート:興味ないので、兄貴面は止めてください。
アスベル:!!
マリク:そ、それで? 聖女と何かあったのか?
ソフィ:アスベル戻ってきた時、死にそうだった。
ヒューバート:そのまま……も良かったのに。
ソフィ:?
シェリア:かかか回復が間に合って、よよ良かったわよね。[焦り]
パスカル:で、シミュレーションしよ。
マリク:は?
パスカル:いつどこで『彼』と会うか、わからないでしょ。その時のためにね。
マリク:必要なのか?
シェリア:めちゃ必要です。教官がリカルドさんを仲間にすれば、彼は聖女の攻撃を防ぐ盾になってくれます。
ヒューバート:では、失敗しないようにデータを……。
ソフィ:わたしが、リカルドって人の役をしてもいい?
アスベル:いいよ。頑張れ、ソフィ。
ソフィ:うん!
マリク:(何故このような展開に)
パスカル:んじゃあ、スタート。
ソフィ:よっ。三日ぶり。
マリク:ちょっと待て、ソフィ。どんなシチュエーションだ!!
アスベル:教官、冷静に。ヤツはどんな手を使ってくるか、わかりません。
シェリア:どんな状況にも対応しないと。
マリク:そ、そうか?
パスカル:じゃあ、もう一度。
ソフィ:敵に追われているんだ!! すまないが、暫く匿ってくれ!!
マリク:(だから、どういう(以下略))
ヒューバート:貴方が話さないと、進みませんよ。
マリク:あ、ああ。そうだったな。じゃあ、ついてこい。
アスベル:教官……。教官ともあろう人間が、初対面のかなり怪しい男に背を向けるなんて。
シェリア:今のは、即ゲームオーバーの選択肢ですよ?
マリク:(ゲームオーバー?)
パスカル:仕方ない。あたし達が書いた台本を演じれば大丈夫だよ。
ヒューバート:ソフィの分は、ぼくが書きました。
ソフィ:ありがとう、ヒューバート。
アスベル:(ヒューバートがソフィのために!!)
シェリア:アスベル、とりあえず泣き止んで。
パスカル:じゃ、スタート〜。
ソフィ:『よし。向こうの無人島まで、競争しようゼ!!』
マリク:『レモン382個分のビタミンCが含まれているからな』
ソフィ:『やっぱり、負けたか。お前、強いな』
マリク:『最後にミントの葉を飾れば出来上がり』……って、会話が成立していないだろう!?
アスベル:いい話だな。
シェリア:そうね。私も泣けてきたわ。
ヒューバート:さすが、パスカルさん。よく分かっていますね。
パスカル:弟くんも凄いよ。
マリク:人の話を……。
ソフィ:『彼女のことは、任せた。全力で幸せにならないと、夜中に爆竹を投げ込むゼ☆』
マリク:ソフィは普通に続けるな。
全員:ばっちりです(だ)ね、教官。
マリク:どこがだ!!
E N D
2010/02/02
移動 2010/11/24