正しい世界征服の仕方




***


ユーリ:うーん……。

カロル:どうしたの、そんなに難しい顔して。

ユーリ:ん? ああ、カロルか。

カロル:何か悩みごと? ボクで力になれることなら、言ってみてよ。

ユーリ:さすが、カロル大先生。頼りになる。でもな……。

カロル:遠慮しないで。さあ!

ユーリ:じゃあ……。どうやったら、世界征服できると思う?[真剣]

カロル:!?(ユーリが壊れた!?)





***


カロル:ねえ、みんな……。ユーリが世界征服とか言ってるんだけど。

リタ:ああ、それ。一月くらい前から言ってたわね。

カロル:知ってたの?

エステル:わたしは、とりあえずヨーデルを誘拐すればどうかと提案しました。

カロル:エステル、何言ってんの!?

ジュディス:だから、二週間前から彼がいるのね。あんまり馴染みすぎてて忘れてたわ。

カロル:……。





***


カロル:ねえ、レイヴン。

レイヴン:どうしたのよ、少年。

カロル:ユーリが世界征服のために、ヨーデル殿下を拐ってきたんだけど……。

レイヴン:ああ、その話? 正確に言うなら、拐ったのはユーリじゃなくて、おっさんとバウル。

カロル:!?

パティ:うちも協力したのじゃ。

カロル:!?!?





***


カロル:あのさ、フレン。

フレン:どうしたんだい?

カロル:ユーリが世界征服するらしいんだけど。

フレン:ははは。ユーリらしいね。

カロル:笑いごとじゃないよ。

フレン:心配しなくても、ユーリって飽きっぽい所があるから、三日くらいで終わると思うよ?

カロル:もう一月くらい経ってるけど……。

フレン:頑張ってるんだね。

カロル:そうじゃなくて! 次期皇帝を拐ってるんだよ!

フレン:それくらいで世界征服は出来ないよ。ダメだな、ユーリは……。

カロル:そういうことじゃなくて! もういい。





***


カロル:ユーリ、何してるの?

ユーリ:世界征服後のイメージイラストだ。

カロル:……やけに少女漫画チックな絵だね。

ユーリ:あんまり絵に自信がなかったから、リタに本を借りたんだよ。それを参考に。

カロル:……ねえ、ユーリ。世界征服なんてやめようよ。わざわざそんな悪役にならなくても。

ユーリ:人間一度決めた事は、最後までやり抜かないとな。

カロル:状況と内容を考えてよ。

ユーリ:わかった。カロルがそこまで言うなら、やめる。

カロル:ユーリ……!

ユーリ:その代わり、カロルが生け贄な。

カロル:……はい?

ユーリ:世界征服の協力者として、魔王を召喚したんだけどさ。

カロル:何してんの。

ユーリ:契約破棄の場合は、生きた人間を一人食わせないといけなくてさ。カロル、責任持って食われてくれ。

カロル:やだよ。何の責任なの!

エステル:ユーリ、報告します。ヨーデルが魔王に半分食べられました。

カロル:えぇ!?

ユーリ:そうか。良かったな、カロル。体半分は残るぞ。

カロル:そういうことじゃ……もう、あー、うがー。

ユーリ:あ、カロルが壊れた。

エステル:じゃあ、この話はここまでですね。





E N D



2009/12/09
移動 2010/11/24



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