わたしは只授業をサボっていただけだ。屋上も飽きてきて、偶然!たまたま!体育館裏にいただけで。

「………」
「………」

ニッコニコと笑う神威の後ろには屍の山。死んではいないけど、精神的に殺られているだろう。そしてわたしも殺られる。なんで番長様の貴方がいるんだ。体育館裏で喧嘩?不良ドラマかこれは!古すぎるわァァァ

「ねえねえ」
「ひ…!」
「そんな震えないでよ。食べたくなるじゃん」
「あああ生憎わたしは脂肪たっぷりでまずいですよ!」
「うんそうだね」
「んだとコラ」

ニコニコ笑いながらわたしに近づいて来るとそのまま隣に座った。近い。少し避けるようにズレれば追って近づいてくる。ヒイィィ近い!お願いだから来ないでください

「今の見てた?」
「すいません見てました忘れますから殺さないで!」
「なに言ってんの。俺の勇姿を忘れるなんて許さないヨ」
「は?……ん!?」
「わざわざ俺があんたのいる前でかっこいいところ見せたのに、忘れるなんて心外だなあ」
「な、な、今、キ、キ」
「ん?キスがどうしたの」

どうしたのじゃねーよ!
なに勝手にキスしといて平然としてるんだ。慌ててるわたしが馬鹿みたいだ。

「………」
「震えちゃってかわいいなあ。食べちゃうゾ」
「あのね、わたしは怒ってるの!からかうなら他あたってください!」
「えーつまんない」
「つまんないじゃない性悪男!」
「性悪ねえ」

笑顔に陰ができた。やばい…怒らせてはいけない奴を怒らせてしまった。勢い任せで言ってしまったことを後悔する。わたし死ぬ。

「確かに性悪だね。自覚してるよ。めんごめんご」
「謝られた気がしない」
「好きな子は苛めたくなるタイプでさ」
「ギャア」
「怒るあんたかわいいね。怖がってるとこなんか最高にかわいい。そーゆーとこ好き」
「ちょ、なに言って」
「あれ?一応告白だったんだけどなあ」
「…またからかってる!第一わたしの名前も知らないくせに」
「知ってるよ。ねえ、俺のこと好きでしょ?なまえ」

反論する暇もなくまた口を塞がれた。なんていう強引な男なんだ。どうやらわたしは最強で最凶な男に惚れられたらしい。それもある意味強運である。





体育館の裏で
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