突然だが高杉晋助が苦手だ。片目だし片目だしなんか…片目だし。所謂不良である。だから滅多に学校へ来ないから、会うことはないのだけど。だけど!

「最低だ…死ね銀八」
「おまえがな」

たった今行なった席替えで、高杉の隣になってしまったのだ。死ね銀八。おまえが死ね。いやおまえが死ね。無駄なやり取りである
幸い高杉は登校していないから隣は空。このまま一生学校に来ないでほしい。まあ、不良だし、今まで来てないし、これからも来ることはないだろう。
と思っていた。

「……」
「なに見てんだ」
「スミマセン」

なんで学校に来てるんだ。

「なんか文句あんのか」
「いや…文句というか質問が」
「質問?」
「なんでいるんですか。マジありえなくねー?帰れ帰れ!」
「それ文句だろ」

意外に高杉はツッコミ担当だった。
とりあえずなんで学校来てるのか聞いてみた。

「気分で」

あなたの気分であたしのスクールライフはどん底なんですけど。と言いたかったが目で殺されそうだったのでやめました。やっぱり片目恐い。
こんな調子で朝からいる高杉だが、きっと途中でサボるだろう。一日中いるわけない。と踏んでいたが、見事に裏切られた。放課後まできっちり奴は学校にいた。しかも掃除までしている。いくらあたし達の班が掃除担当だとしても、掃除までしなくても。寧ろしてほしくない。高杉のイメージが崩れる。ちょ、黒板消しギュイーンしなくていいから!あたしの中の高杉のイメージが!頼むから帰れ百円あげるから!

「うるせえよ」
「!?ぎゃあ目がァァァ」

黒板消しギュイーンするの止めたら目の前で黒板消しパーンされた。粉が目に入った。あまりの痛みに悶絶。そんなあたしを見て高杉は笑っていた。高杉って笑うのか。初めて見た。とりあえず、高杉死ね。
それからというものの、高杉は毎日のように学校に来てはあたしをいじめる。おまえ不良じゃなかったのかと聞きたい。

「最近高杉のやつ出席率いいな。これからは高杉の隣はなまえに頼もうかなァ」
「冗談やめてよ先生、あたしストレスで禿げちゃう。それにあいつは気分で学校来てるだけよ」
「実はさ〜席替えした日あいつに隣がおまえだって教えたんだよ」
「はあ…え?」
「それからだよなあ、あいつが学校来てんの」

明日高杉が来たら、おまえ不良じゃなかったのかと聞いてみる。それと、あたしのこと好きなの?て。
聞いたらあいつはどんな顔をするのだろう。





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