「トリックオアトリィィィト」
「なにやってんの」

冷ややかな目で見られた。銀さんのくせに。今日は十月の最終日、そしてハロウィンである。お菓子が貰えるのでこういうイベントにはノリノリで参加しそうな銀さんに冷ややかな目で見られた。心外だ。

「なにってハロウィンだよ」
「それ鏡見てから言ってみ」
「なに?わたしのキョンシー姿に文句つける気?」
「あえて文句つけるならお前のセンスだな。なんでキョンシーチョイス?」
「キョンシーも吸血鬼なのよ?ドラキュラじゃん!完璧じゃん!」
「ハロウィンに中国の妖怪ってお前場違いにも程があんだろ!色気なさすぎ!銀さんもっとエロいの要求します!」
「場違いはあんただよバカ!ハロウィンにエロスを求めるな!銀さん退場!」

ていうか話進まねーよ!トリックオアトリートって言ってんだろ!
すると銀さんは大きいため息をついてスッと立ち上がり台所に向かった。なにを持って来るかわくわくしているとトボトボ歩いて戻って来る。目の前にはいちご牛乳。

「なにこれ」
「いちご牛乳」
「見りゃわかる!」
「これやるから静かにしてなさい」
「銀さんあなたハロウィンなめてんの?」
「それ鏡に向かって百万回唱えろ」
「そんなにキョンシーいやなんか!いやなんか!じゃあどんな格好がいいの」
「そうだな、やっぱりミイラ男…あ、お前女だからミイラ女かな。体に包帯巻き付けて…」
「……」

なんで包帯を持っている



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