とうとうクリスマスが来てしまった。結局なまえは銀時を取り戻す事なく、そのままかまっ娘倶楽部で働かせていた。いたくパー子を気に入り、あれから何度も通っては指名をし、店に貢献している。当然銀時は快く思っていない。当たり前である。可愛い恋人がオカマと言っても自分だが、オカマバー通いにハマっているのだから。泣きたくなった。そんな今日もなまえは店に来ている。

「パー子ちゃんお酒なに飲むー?」
「なんでもいいわよ。つーかあんた早く帰りなさいよ」
「今来たばかりなのに!じゃあこのフルーツ食べよ」
「へーへー」
「はいパー子ちゃんあーん」
「…!」

普段のなまえはあーん、なんてしない。すっかり銀時だということを忘れてるか否か、パー子相手になると今までと違う態度のなまえになる。そんななまえの姿に銀時は悶々としていた。あーんとか可愛すぎるだろ!我慢できず銀時はなまえを膝の上に座らせ向かいあった。

「わ!」
「じゃあ口で食べさせてく……痛ェェ」
「パー子ォ、客にお触りは禁止よ」
「うるせー!アゴ美のアゴ更に割るぞアアアン」
「ごめんなさいねなまえちゃん。パー子最近機嫌悪いから」
「120%テメー等のせいよ」

こんな状況でさえなまえは楽しんでいる。銀時は困り果てた。適当に頼んだ酒を一気に飲み干す。クソ不味い。

「つーかおまえよく金あるな」
「うん。銀さんへのプレゼント換金してきたから」
「は…はあァァァァァ!?」
「銀さんが悪いんだからね。クリスマスドタキャンしたんだから」

今まで楽しんでいたなまえの表情が一気に険しくなった。銀時はいろんな意味で凍り付いた。目が据わっている。これは確実に怒っている。

「女一人で過ごしても寂しいからさ。中身が銀さんだったらもうパー子ちゃんでもいいやって。だから今日は嫌でもわたしの酒に付き合いなさいよ!」

と、無理矢理酌してくるなまえを愛らしく感じた。
恋人が過ごす甘いものとは程遠い湿気ったクリスマスだが、自分達にはこれくらいが丁度いいのかもしれない。ケーキよりも愛する女からのお酌に甘く酔える。いやケーキも食べたいけどね。なんて思考を巡らせながら酒を一口。

「あ、銀さん」
「今はパー子ですぅ」
「そうだったね。じゃあこれあげるのやめようかな〜」
「アン?」
「さっきのは嘘。ちゃんとプレゼントあるよ」
「……」
「どうしようかな〜今はパー子ちゃんだもんね〜やっぱり換……ギャアァァァ」
「もう銀さんアレだわ。無理だわ我慢できねーわふざけんなよコノヤロー」
「ふざけんなはこっちのセリフなんですが!」
「パー子テメー店でなにやってんだ!」
「すいませんムラムラしてきたんで早退しまーす」

メリークリスマス!



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