「おま、離せ怪人二十面相!」
「そりゃどういう意味だ!」
「化物面が二十…グフッ」
「ていうことでこいつは貰ってくよ」

突然現れた怪人二十面相ならぬ鬼神・マドマーゼル西郷に銀時が拐われた。なまえは訳がわからず只ポカンと立ち尽くしている。はっ、と我に返って頃には既に銀時の姿は見えなくなっていた。

「ぎ、銀さんカムバァァァック」

銀時が拐われる少し前に戻ってみる。

「はあ?人出が足りない?」
「そうなのよ〜。もうすぐクリスマスでしょ?クリスマスはかきいれ時でね〜渇いた男共でお店も混むのよ大変なのよ忙しいのよ〜」
「いや俺関係ないから」
「テメーに頼むのは物凄く心外だが背に腹はかえられない」
「いや俺関係な」
「金は払うしこの時期だけでいい。もちろん来るわよね?」
「行くわけねーだろ人外」
「そう来るのね」

そして今に至る。
蛻の殻となった万事屋で、ひたすらなまえは先程の事を脳内で繰り返していた。自分の恋人を連れ去った西郷を知らないなまえは、彼(女)を只の人拐いにしか見えない。通報しよう。

「あれ?銀ちゃんいないアルか?」
「!か、神楽ちゃーん」
「?どうしたネ。とりあえず鼻水拭くヨロシ」

なまえは今までの経緯を説明する。ああ、と神楽は察したようで、昔あった出来事を教えるとなまえは更にポカンとした。

「じゃあ銀さんはオカマの人数の埋め合わせで連れてかれたってこと?」
「そこまではわかんないネ」
「ていうか銀さんがオカマやってたなんて…いやそれよりも」

二人で過ごす予定だったクリスマスがおじゃんになってしまった。クリスマス直前のドタキャンである。最悪だ。銀時の為に予約したケーキや、密かに準備していたプレゼントなど全てが台無し。ずっと楽しみにしていたことが突然ダメになってしまったのだ。当然なまえはキレた。

「怪人二十面相許さない!わたしが銀さんを連れ戻してくる!」
「その前に鼻水拭くヨロシ」

かまっ娘倶楽部に殴り込みである。




ロマンスに絶望
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