以前銀さんに毎日パフェ作ってと言われた。めんどくさいので断った。それからというものの、やる気のない目は更にやる気を無くし、話しかけてもどこか上の空で、今もソファーにだらしなく横たわっている。一体全体どうしたというのだ。わたしが悪いのか?わたしが悪いのか!?

「銀さん…?大丈夫?」
「……」

く、空気が重い!
この空気に耐えつつ、今読んでいる雑誌に目を通した。そのページには「プロポーズ特集!」とデカデカと書いてある。そうか、今月は六月。ジューンブライド。そこにはこんなプロポーズしました、されました、と様々なプロポーズの台詞が書いてある。結婚して下さい。携帯家族割しない?わかりにくいわ!

「ねえ銀さん」
「……」
「雑誌にプロポーズ特集やってるんだけど」
「……」
「プロポーズするなら銀さんはなんてプロポーズしたい?」

野暮なことを聞く女だと思っただろう。自分でも自覚している。でもこの空気の重さに耐えられない。無理矢理にでも話題を作る。きっと無視されるだろうけど。銀さんのことだからベタに結婚して下さい?いや自称亭主関白だから嫁に来い!てか
すると、勢いよく起き上がり、あの目と目が合った。久しぶりに目を合わせた気がする。

「………さい」
「え?」
「毎日パフェ俺に作って下さい」
「……え」
「ダメだったけどな」

驚きのあまり手に持っていた雑誌を落としてしまった。それは最近耳にした言葉だった。その時思いっきり断った。そんな深い意味があるなんてわかるわけあるか!
だからわたしは銀さんの手を握って

「毎日はドクターストップで無理だけど週一ならいいよ!」

驚いている銀さんの頬にキスをした。ポカンとしている銀さん。が、直ぐにいつもの銀さんの笑顔になる。やっぱり、こうじゃないと坂田銀時とは言えない。



眩暈
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