「962、963、964」
「966、954、941」
「941、942…?」
「925、917」
「917…?テメエェェわかんなくなっただろうが!」
「暇なんだもの」
「本読んでんだろ」
「この上下の動きに酔って読めません」
「酔うって…おまえ海賊のくせに情けねえな」

それはごもっとも。だがゾロに言われると無性に腹が立つのでマリモ頭にチョップした。なにしやがる、とおっかない顔で怒られた。
読書をしていたら、暇なら鍛練に付き合えと言われた。戦闘力がウソップ以下(ウソップごめん)のわたしになにができるというのだ。えー、と渋るとおまえにしか出来ないことだとゾロは言う。鍛練にこんなわたしでも役に立てることがあるのかと思うと嬉しくなった。
トレーニングルームに着くと背中に乗れと言われ、言う通り背中に乗るとゾロは片手で腕立て伏せを始めた。
そして今に至る。

「なにがわたしにしか出来ないことよー!重石役なら誰だって出来るじゃないっ」
「他にいねえよ」
「サンジ君とか」
「誰があんなクソコック背中に乗せるか!」

仕切り直しだ、とまた一から始める。

「ねえねえ」
「話し掛けんな。気が散る」
「わたし重石になれてる?」
「あまり」
「えー!?」
「だがいねェよりマシだ」

重石するならわたしより重い人の方が鍛えられると思う。例えばフランキーとか。…うん。フランキーに馬乗りされてるゾロなんて見たくない。彼は強い剣士だ。誰かに屈する姿なんて見たくないしゾロ本人、いくら仲間でもプライドが許さないのだろう。じゃあわたしはどうなの。もしかしてわたしのこと仲間と思っていないのか。弱いし。いや、赤の他人に乗られるなんてもっと嫌じゃね?ということはわたしは他人以下?論外?

「う…うわーん!ゾロのバカヤロー!」
「は?…オイなまえ!降りんな!」

ということをナミに洗いざらい話した。ゾロって酷いね!て話しなのに、わたしがナミに額を小突かれた。何故だ。

「ゾロも苦労してるのね」





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