今日の夕食は鍋です。

「はいはい!わたし鍋奉行やる!」
「なべぶぎょうってなんだ?」
「ルフィは知らなくてもいいことよ」
「そっか」
「ね!いいでしょサンジ君」
「もちろんさレディ」
「じゃあみんな野菜野菜野菜野菜肉野菜野菜ね。わたしは肉肉肉肉野菜肉肉肉」
「なんだよそれずりぃぞ!なんでおまえがそんなこと決めるんだ!」
「鍋奉行だもん」
「じゃあおれがやる!」
「えー!わたしが先に言ったんだよ」
「だめだ!船長命令!」
「職権濫用!」
「四文字以上の漢字使われてもわかんね」
「馬鹿野郎」
「今のはわかったぞ!おれはばかじゃねェ!」
「おばかさんには鍋奉行は勤まりません」
「じゃあなまえは無理だな」
「どーいう意味だコラもっぺん言ってみ」
「じゃあなまえは無理だな」
「綺麗に言い返すな!」
「なべぶぎょうに、おれはなる!」
「うるせー!」
「あんたらいい加減にしろ!」

ナミのストレートパンチが炸裂した。二人はごはん抜きになった。レディの味方サンジがこっそりなまえに食事を持って行くもルフィと争奪戦になり、ナミに見つかる。頭を冷やせと二人に不寝番をやらせることになった。本当は今日ナミが不寝番で、めんどくさいから二人にやらせたというのは秘密だ。

「ルフィのせいだ」
「なまえのせいだ」
「120%ルフィのせいだ」
「なまえだ」

ぎゅるる〜と腹の虫が鳴る。はあ、と溜め息が漏れた。言い争っても腹が減るだけである。

「お腹空いたね」
「腹減った」
「肉食べたいね」
「肉降って来ねーかな」

寒いわ腹は減るわ眠いわで最悪である。こんなことになるなら鍋奉行やる!なんて言わなきゃよかった、となまえは深く後悔していた。ていうかルフィがばかだから悪い。いつか海底に沈めてやる、と考えていると隣から視線を感じ思考停止する。

「なに?」
「なまえってうまそうだよな」
「は!?」
「白いしプニプニしてたまごみてぇ」
「た、たまご…」
「食ったらうまいのか?」
「んなわけあるか!」

なまえは身の危険を感じた。食欲魔神のルフィだ。空腹で思考回路がいつも以上にショートしているんだ。

「ルフィはたまごより肉でしょう。チョッパーなんかいいんじゃない」
「おれは仲間は食わねェ!」
「わたしも仲間でしょうが!」
「でも食いてェ!」
「意味わからんわ!」

首筋に噛みついて来た。
ああ食われる。



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