「ルフィー!待ちやがれー!」
「いいじゃねェか減るもんでもねーし」
「減る!おれのHPが減る!危うく死ぬとこだったわ!」
「なにしてんのよあんたら」
「ルフィがウソップの実験邪魔してドカン」
「とてもわかりやすい説明ありがとうチョッパー」
「あはは、相変わらずねルフィったら」
「全くバカばっかだわこの船」
「楽しそうでいいじゃない」
「まあ、退屈はしないわね」
「あはは」
「ははは…って誰よあんた!?」

一斉にクルー達が武器に手をかける。いつの間にかナミとのほほんと会話をしていた女性が一人。よく見れば海軍の制服を着ている。

「まあまあ。皆さん落ち着いて」
「落ち着けるかァ!海軍がなんでいるのよこの船に!しかも一人で!」
「一人じゃないよ」
「え」
「オーイルフィ!わたしよー!」
「なにこの気ままさ!」

未だに追いかけられてたルフィ。ん?と呼ばれた方を見ると女海軍がいた。ウソップもやっと状況に気付きびっくりしている。

「な、なんで海軍がここに…!?」
「あ。なまえじゃねーか!」
「なまえ!?」

なまえと呼ばれる女海軍はニコニコと手を降っていた。ルフィはゴムゴムで彼女の傍まで飛んでいく。

「なまえ!久しぶりだなー!」
「久しぶりねルフィ!」

感動の再会と言わんばかりにお互いにハグをする。近くにいるナミを筆頭にクルー一同ポカンとせざるを得なかった。そんな一同は眼中に無く、ルフィ大きくなったね!なまえもかわいくなったな〜と近況報告に花を咲かせている。しびれを切らしたナミはルフィの耳を思いっきり引っ張る。

「なにすんだよナミ!」
「どういうことか私たちに説明しなさい!」
「せつめい?」
「そこの海軍は何者なのかよ!」
「なまえだぞ」
「名前はいいわ!」

ナミはルフィの頭を叩く。その光景を見てなまえはクスクスと笑っていた。ナミはうっ、と急に恥ずかしくなり、ゴホンと咳払いを一つ。

「自己紹介が遅れてごめんなさい。わたしはなまえっていいます。ルフィの幼なじみです」
「そうだ!幼なじみだ!」
「ルフィの幼なじみが海軍にいるのかよ…」
「じいさんがいるくらいだ、これ位もう驚かねェよ。只…なんでこんな可愛らしいレディがルフィの幼なじみなんだー!」
「いやそこかよ」

海軍本部少尉、なまえ。フーシャ村で一緒に育ったルフィの幼なじみである。ルフィの前に海に出たのはなまえだ。何年かぶりの再会である。

「手配書見たよ。ルフィ凄い金額になったね。クルー全員が賞金首ってのも凄い」
「シシシッ」
「もうあの頃のルフィじゃないのね…」
「なまえ…」
「ちょっと感傷に浸ってるとこ悪いんだけど、あんた一人じゃないって言ったわよね」
「うん。あれ、どこに行ったのかしら」
「どこって…」
「なまえ、ルフィに会えたか?」
「あ、ガープおじさん。そんなとこにいたの」
「ガープ!?」

みかんの木からこっそり現れたのはルフィのじいちゃん、ガープ中将。先程まで寝てたらしく口元にヨダレの跡がある。

「ぶわっはっはっは!ルフィ、じいちゃんじゃぞー!」
「なんだじいちゃんか」
「なんだとはなんだ久しぶりのじいちゃんだぞ!もっと感動せんか!」
「前も会ったじゃねェか」
「あれからいくつ月日が経ったと思う!老い先短いじいちゃんには一日過ごすのも必死なんだぞ!」
「まあまあガープおじさん」

今にも襲いかかりそうなガープを抑えるなまえ。

「今日はルフィに会いに来ただけだから、これで帰るね」
「えー!もう帰るのか?」
「そうだぜなまえちゃん。折角の再会なんだから飯でも食っていきな。ご馳走するぜ」
「ありがとう。でも海軍が海賊と馴れ合うわけにはいかないでしょう」

うっ、と言葉が詰まる。確かに幼なじみではあるが立場は海軍に海賊。相容れぬ関係である。

「久しぶりに会えてよかったよ。ルフィも皆さんも元気でね」
「おう!なまえもな。あとじいちゃんも」
「じいちゃんをオマケみたいに言うな」
「次会う時は戦場かもね。その時はわたしがルフィを捕まえるわ、正義の名のもとに」
「おれがオメーに捕まるかよ」
「あ、言ったわね!その言葉覚えてなさい、後悔させてやるっ」
「なまえ、行くぞ。そろそろ戻らんとセンゴクの奴にバレる」
「はい。じゃあねルフィ」
「なまえ!」
「ん?」

ちゅう、というリップ音が船内に響いた。

「またな!」
「な…」
「おれはオメーには捕まらない。次会った時は海軍からなまえを奪ってやる」

というルフィの爆弾発言を最後に耳にし、なまえはサニー号を去った。
唇に伸びる手。先程のルフィの行動と発言に自然に顔が赤くなる。次会う時…どうなるのだろう。

「いや、わたしは海軍!正義の名のも」
「うんうん。ルフィの嫁はやっぱりなまえじゃな。わしはずっと考えとった」
「ガープおじさん!?」
「なまえもじいちゃんと呼んでいいぞ!早く曾孫の顔が見たいもんじゃ!ぶわっはっはっは!」

上司がこれでは。なまえの心は折れた。



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