無人島に停泊している。白い砂浜。青い海。輝く太陽。まるで無料かつ無人の海水浴場である。最高だ。これはもう泳ぐしかない。ということで麦わら一味は只今バカンス中です。船長以外。

「なんか物凄く恨めしい顔でこっち見てくるんだけど…」
「いいのよ!あのバカが悪いんだから」

どうやらルフィはナミの怒髪天をど衝いたらしく、怒りの鉄槌をくらった。遊ぶの禁止。浮き輪で泳ぐの禁止。船から一歩も出るべからず。ルフィが何をしたかはナミしか知らない。だが怒られたからと言って黙って船に残っているのも珍しい。我を通すルフィがナミの言い付けをしっかり守っている。本当はみんなと遊びたいだろう。その証拠に釣りをしながらこっちをガン見している。

「…うわ!」
「あ、なまえ」

砂浜でパラソルの下ナミとなまえがサンジ特製トロピカルジュースを飲みながら雑談していると、停泊している船より伸びた腕がなまえの身体に巻き付き引っ張られた。当たり前だが犯人はルフィである。なまえは当然為すすべなく、されるがまま。ゴールはルフィの胸の中だ。向こうでナミが叫んでいる。こっちまでは聞こえない。

「なまえ釣ーれた!」
「わたしは魚か…」
「なに飲んでんだ?」
「サンジ君特製トロピカルジュース」
「おれも飲みてェ!オメーらばっかずりぃ」
「飲む?」
「ん」

飲んでいる最中に釣られた為なまえの手にはトロピカルジュースがあった。ルフィに飲むよう促すとストローで勢いよく吸い込み、あっと言う間に無くなる。うまかった!と満足な様子。そして何事もなかったかのようになまえを胸の中に抱きながら釣りを再開する。

「ルフィ。ナミになにしたの?」
「ん〜?」
「ここで置いてきぼりにされて」
「お〜」
「一緒に謝るからあっち行こうよ」
「別にここでいーぞ」
「え…え!?なんで?みんなと遊びたいでしょ?」
「ナミとの約束だ!」
「約束?」
「一時間一人で船にいたらなまえを好きにしていいっていう約束だ!」
「…は」

なにそれ!
なまえは叫ぶにはいられなかった。そんなことナミから一切聞かれていないし許可していない。

「あいつらと一緒にいるのも楽しいけど、なまえと二人きりになるってあんまねーからな!だから今はここでいい!」

そして二人は人目を憚らずいちゃつくのだった。
結局ルフィとナミとの間になにがあったんだろう?不思議に思うなまえだが、ルフィがあまりにも楽しそうだったので口にすることはなかった。

「ルフィー!まだ一時間も経ってないわよあんた待ても出来ないの!なまえをお返しー!!!」
「ナミさんなにやってんだい…そんなナミさんも素敵だー!」



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