「なまえ、ちゅー」
「しないよ」
「ダメだ!する!」
「しない!」
「する!」
「んむっ」

結局されてしまった。
ルフィがキスを迫る様になったのはある事件がきっかけだ。数日前の敵船より襲撃中、ルフィはゴムゴムの風船で大砲を撃退していた。当然空中での撃退である。ルフィが船に降りる際、偶然下になまえがおり確認してなかったルフィはそのままなまえを下敷きにし落下したのだ。その時偶然にルフィとなまえの唇が重なる。偶然が偶然を重ね、漫画みたいな展開が起きた。なまえは唇を押さえ呆然。ルフィはというと

「なんだ今の!柔らかくてスゲー気持ちよかった!なまえ、もう一回!」

と今度は故意で重ねた。
そんなことで、ルフィは初めてのそれに心奪われなまえにキスを迫るようになった。なまえとしては内心複雑である。大好きなルフィに迫られるのは正直嫌ではない。しかし本人は意味を理解しておらず、気持ちいいからという理由でキスをする。寂しいものがある。

「ルフィ!いい加減にして」
「なんだ?なまえはイヤなのか?」
「い、いやじゃないけど…」
「じゃあいいじゃん」
「よくないの」
「なんでだよ?意味わかんねェぞ」
「そんなにちゅうしたきゃ、ナミとかロビンのとこに行けばいいよ」
「やだ!」
「なんで?」
「なんとなくだ!」
「ウソップとかチョッパーは?」
「う…なんかもっといやだ」
「うん…それはそうよね。変なこと聞いてごめんね」
「おう、気にすんな」
「それじゃあね」
「おう!」

うまく話を反らし逃げることに成功した。このまま女部屋に籠ろう。

「こんにゃろなまえー!まだちゅーしてねェぞ!」
「!イヤー追って来たァ!」

ゴムゴムで身体に腕が巻き付き引っ張られる。さっきよりもルフィとの距離が縮まった。シシシッと笑うとなまえは柔らかくて気持ちいいなァ、と抱きしめて来る。余りに純粋で無知で、なまえは困り果てる。

「ちゅーしてェ」
「い、いや!」
「なんだよ…そんなにおれがきらいなのか?」
「嫌いなわけないじゃん!むしろ…」
「むしろ?」
「す、好きです…」
「おれも好きだ!」
「わたしはルフィの好きよりもっと好きなの」
「なんだそれ!おれだってなまえの好きよりいっぱい好きだぞ!」
「…本当?」
「おう」

ルフィの好きは仲間としての好きかも知れないが、なまえはそれでも嬉しかった。

「ちゅーだってなまえとしかしたくねェ」
「そうなの?」
「そうだ!あの時下におまえじゃない奴がいたと思うと、そいつ悪くねェけどぶっ飛ばしてた」
「……」
「こうやってぎゅってするのもなまえがいいんだ」
「……」
「うお!?なに泣いてんだ!?どっか痛ェのか!?」
「あはは、痛くないよ。嬉しいの」
「バカだな、嬉しいときは笑うんだぞ」
「そうだね。ねえルフィ」
「なんだ?」

ちゅうしよっか




うぬぼれと希望
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -