「気を楽しろ。すぐに終わる」
「冒頭から殺されそうなんですけど」

キャプテンはすかさずROOM、とわたしにサークルを描く。待て待て待て!

「やめてくださいよ!わたしが何したって言うんですか」
「惚ける気か。貴様おれの栗羊羹食ったろ」
「そんなんでわたし殺されそうなの!?」
「そんなのだと?おれがどれだけ楽しみにしていたか…」

あの栗羊羹はさっき寄った島にしか売ってないんだ!と力説するキャプテンがアホに見えた。何事にも動じないキャプテンが栗羊羹でこんなにも怒りを露にするっておま。どんだけ栗羊羹好きなんだ。キャラ違いにも程があるだろ。ていうかわたしは食べていない。

「こんなことするのはおまえしかいない」
「キャプテンキャプテン、後ろ見てみ。口元茶色い白くまいるから」
「そうやってベポのせいにする気か…呆れたもんだな」
「そんなキャプテンにガッカリです」

やばい。キャプテンの目がキレた。その瞬間スパーンとあの長い刀でぶった斬られた。問答無用ですか。首元を斬られたらしく、わたしの身体は呆然と立っていて、頭はキャプテンの手にある。

「お仕置きだ。そこで晒し首になってろ」

と樽の上に置かれた。えええええ冗談じゃないんですけど!こんなとこに放置されてたら死体と勘違いされて確実に野鳥の餌食になる。
そんなわたしの切な願いは完全スルーされそのまま頭は樽に放置される。キャプテンはわたしの身体を抱えるとそのまま船室へ入って行く。

「ちょっとわたしの身体!何する気ですか返してくださいそして戻してください!」

キャプテンは顔だけこちらを向くと、ニヤッととてつもなく怪しい笑みを溢し再び船室へと戻って行った…て、ちょっと待て!ナニする気だー!



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