どうしても、というほどのことない些細な願いであったからきっと誰も知らない――いや、あの子しか知らないことだった。私とあの子、二人だけの秘密。そう、甘いような酸っぱいような幼いころに交換した夢。今はもう忘れてしまったかしら。大袈裟すぎるわね。でも私はこの山に登って、これを思い出した。あの子は私の代わりに海を見てくれただろうか。

 

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