青峰は最近、頻繁に私を呼び出す。理由はわからないけど、彼は私を呼び出すと、必ず昔みたいに、はにかんだように笑い、指を絡ませてくる。この間、どちらも声を発しない。
聞こえるのは青峰と私の呼吸音と、空気の動く音、そして喧しい、自分の心臓の音だけ。
絡ませていない反対の手は、頬なで、様々なところに触れる。唇だったり、背中だったり、腰だったり。とりあえず、青峰の手つきがエロくて困る。彼が触れたところが火傷したように熱を持ち、腰からぞくぞくしたものが駆け上がってくる。それがたまらなくいやらしく思えて、下を向く。
そして、最後に絡めていた指をほどき、腕を引っ張り、すぽん、と青峰に抱きしめられる。体中に血が巡るのがわかる。きっと耳まで真っ赤で、バクバクと心臓が煩い。
でも、こんなに恥ずかしくてたまらないのに、やめて欲しいと思ったことがない。惚れた弱味だろうか?もっと、と願う自分がいてひどく恥ずかしくなった。


いつもならこの辺で、青峰が私を離し、「すまねぇ」と言って家まで送ってくれるというパターンなのだが、今日は様子が少し違う。ぎゅっと抱きしめる力が強くなる。
「あのさ、オレずっと言いたかったんだけどよ…」
耳元で聞こえる青峰の声は少し緊張で強張っているように聞こえる。
「名字のことさ、好きだわ」
いつも以上に顔に熱が集まる。
「わ、わたし、も、す」あ、塞がれた。
好き、は青峰の唇によって塞がれた。私の頭はキャパオーバーで半分パニックである。
ずっと、好きだった青峰が私を好きだと、そして今キスされている。ああ、どうしよう。
唇を話した彼は面白そうに言った。
「ファーストキス頂き」
わけわかんなくなった私は取りあえず、青峰に抱きついておく。優しく目を細めた青峰は、以前私がしたように、髪を梳いた。心地いい感覚と少し早い彼の鼓動に、身を預けることにする。ああ、世界はこんなにも狭い。
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