昼休み、あたしの目の前にはめちゃくちゃデカい男が立っていた。

「なに、アツシこいつ?」

ひょっこり、大男の後ろから現れたの福井で、何故かあたしを指さしている。なにが?と福井に目で訴えれば、気まずそうに目を逸らされた。え、なに、もしかしてバレた?背筋が冷えていくのがわかる。すると、大男は気の抜けた声を出した。

「福井くんおなか減ったんだけど、」
「いや、飯食えよ」
「呼び止めたの自分じゃん。つーか、この人がくつ箱の前で挙動不審だったのは見たけどさ、オレぶっちゃけ福井くんのくつ箱どこかしらねーし」
「あ、ああ!そうだよな!アツシありがとな、まいう棒奢るわ」

大男の言葉に、ぱあ、と表情が明るくなった福井。しかし、大男、挙動不審って、そうだったけども。

「いやー、まじ焦ったぜ。アツシがよー、お前を朝、くつ箱でみたって言うからさ、名字が入れたんだと思ったぜ」
「そ、そんな、わ、わけ、ナイジャン…」

焦りすぎて、噛んでカタコトだ。やばいやばいやばい。心臓がばくんばくんいってる。手汗もハンパない。そんな、あたしのことなんか気付いてないのか福井は呑気に「だよなー、お前がオレのこと好きとか考えらんねーもん」なんて、爆弾を落としたのだった。
もし、あたしが福井に好きって言ったら、その先は恐くて考えられない。
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