「今週も終わりかぁ」
「そうだねー」

あたしとコガの声が響く。キィ、ブランコが音を立てて軋む。あたしたち以外誰もいない公園は、世界から切り取られたように静かで寂しい。横のブランコに座って肉まんを頬張るコガは、公園とは正反対で幸せそうだ。もふもふ、と肉まんを食べる姿は猫みたいだなあ、と思った。
ぱちくり、コガの猫目と目が合う。するとコガは、あたしが肉まんを食べだそうに見えたのか「一口食べる?」と、食べかけのそれを差し出してきた。
その好意を無碍には出来ず、コガから肉まんを受け取る。あ、間接キスじゃん。いざ食べようとした時に気付いてしまい、中途半端に口を開けた状態で止まった。

「どうしたの?」横でコガが不思議そうに尋ねてくる。こんなことをさせている本人は気付いてないのか、はたまた、意識する程のことでもないのか、きょとんとあたしを見た。後者だと変に意識してるあたしが馬鹿みたいなじゃないか。がぶり、コガが食べていたところに食らいついてやった。

「ありがとう」
「いよー。というか、どうかしたの?」

肉まんを返すと、さっきのあたしの様子が気になったのだろう、コガがあたしを見つめる。あああ、もう!

「か、間接キスじゃん!」

あたしの顔真っ赤だ。
あたしの言葉を聞いて見る見る顔が赤くなっていくコガ。公園で、2人して顔赤くしてなにしてんだよほんと!

「ご、ごめんね!」

えへへ、と笑うコガになんか、もう、骨抜きだ。

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