「おいしい?」

ニコニコと、効果音が付きそうなほど笑顔であたしの前に立っているリコ。大量に渡されたお菓子もちゃもちゃと消費していくあたし。リコの笑顔の問いかけに「おいしいよー」と返すが、一体何を考えているのだ。
いきなり、花が綻んだような笑顔になったリコは山積みのそれの上に紙を置いた。「サインしてね!」猫撫で声で言われても、新手詐欺にしか感じられない。なんかの契約書かよ、と思いながらそれを手に取るとでかでか入部届けと書いてあった。部活には男子バスケ部。いきなり大量の紙袋をひっくり返して、あたしの机をお菓子まみれにした挙句、「早く食べて!」と急かしてきた時から変だなあと思っていたんだけど、まさかこういう事だったとは。
嫌だと口を開こうとしたら「お菓子、食べたわよね?」後ろに鬼が見えた。
お菓子は食べてしまった(食べろっていってたから…)けど、あまりにも理不尽な気がする。

「あー、わかった」
「ほんと!?ありがとう!」

渋々、入部届けに名前を記入する。そんなに嬉しそうにされたら今更断れないじゃないか。
色んなな笑顔を持つ友人にあたしは完敗である。

collar
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