月曜日、目覚ましが鳴るより早く目が覚めて、いつもより3本も早い電車に乗って学校に乗る。いつもより車内にいる人が少なくて、早起きって得だなあと流れていく景色を眺めながら思った。
景色の流れが遅くなり、電車が駅に滑り込む。ゆっくりと停止して、ドアが開くと見慣れたクラスメイトとバッチリ目があった。
伊月は「おはよう」と朝なのに爽やかな笑顔を振りまくと、あたしの横に立った。え、なんで横?伊月を見ると、「今日は早いんだな」と嫌味ともとれる言葉をくれた。

「伊月はいっつもこの時間?」
「いや、今日はたまたま。いつもは朝練あるからさ」
「あー、バスケ部だったね」

ぼんやり、流れていく景色を眺めながら、体育の時間に女子がキャーキャー言ってたのを思い出す。バスケが上手いのもそうだが、コイツは顔がいい。そして、性格も最高だと友達が言っていた。しかし、伊月には欠点がある。付きあっても長続きしないのはその欠点のせいだ、と彼女は力説していた。なんだっけなー、電車が駅に滑り込む。

「なあ、布団がふっとんだって面白いよな」
「…………ぷっ」

伊月がいきなり寒いギャグをかます。それは素なの?と聞きたくなるくらいのドヤ顔に思わず吹いた。ギャグはまったく面白くないけどね、うん。そういや、欠点って面白くないとこだっけ?
なにを勘違いしたのか伊月は、キラキラした目でこちらを見てくる。え、違うよ、あんたのギャグに笑ったんじゃなくて、「あのさ!」ぎゅ、と手を握られた。あれれ
「友達になろう」
いやなんでそうなんの!

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