「古橋さん」
「どうした、名字」

いや、どうした。じゃねーよ!という言葉を喉元で留める。いきなり背後に現れた古橋は、抱きしめる形であたしの胸を鷲掴みしている。すっぽり、彼の掌に収まってしまう小さな胸に泣きそうになったが、それよりもこの状況の打破の方が先決であると脳が呼びかける。

「…なにやってんすか」
「お前の慎ましい胸を大きくしてやろうと思ってな」
「いや、結構です」

淡々と話す古橋。ぞわぞわと嫌な予感がする。まさか、あれか。好きな人に胸を揉んでもらうと大きくなっちゃうんだよみたいなあれか。え、なに、あたしが古橋好き前提で話しが進んでない?意味わかんないし。
とにかく、どうにかしてこの慎ましいおっぱいを守らなくては。古橋の腕から逃れようと体をよじるが、びっくりするぐらい古橋の腕は動かない。やばいやばい、変な汗が背中を伝う。
すると、掴んでいた手がやわやわと揉みしだくように動き始めた。ちょ、まじやばいって。服の上から乳首をぐりぐりと摘ままれる。びりびりとしたのが腰のあたりで生まれ「…んっ」と熱い息が口から洩れた。頭の上で笑ったような気配がしたが、乳首から与えられる感覚に上手く頭が回らない。古橋の腕を掴む手にも全然力が入んない。

「気持ちいいか?」
「…ん、はぅ、」
「ほら、どうなんだ」

首元を古橋の熱い舌が舐める。彼の質問に答えないでいると、彼の指が今度は乳首を引っ掻くように動かされる。さっきより強い感覚、びりびりと全身が痺れる。
「ひ、あぁ、…きもち、っい」快感を認めると古橋は軽いリップ音を立ててあたしの頬に口づけた。

「お前感度良すぎ」
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