小説 | ナノ





「もし、もしも、
俺と柳さんの、子供ができるなら、

みんな柳さんそっくりな子がいいな
100%柳さんの遺伝子で」

「それは無理だろう」

「だから、もしもの話なんですよ!
・・俺にはすこっしも似ないでいいっす」

「・・おれはお前そっくりな子がいいぞ」

「そんなのは嫌っすよ!
こんなもじゃもじゃじゃあ
かわいそうじゃないですか!」

「そうか?俺は好きだぞ」

「・・みんなが柳さんみたいだとは
限らないんですよ

でも、しいて言えば
俺のこのラッキー運とハッピー運だけは
遺伝子に伝わればいいっす」

「なんだ、それは」

「大好きな柳さんに選ばれたラッキー運と
大好きな柳さんと一緒に毎日過ごしてる
ハッピー運ですよ!

・・俺なんかを選んでくれてありがと、
柳さん」

「・・・ああ」

「生まれてきてくれて、
柳さんと出会えて、よかったっす
これからもずっと、一緒にいて下さいね?」

「・・当たり前だろう」

どうしようもなく、愛おしいと思った


誰にも言えない関係でもいい
子孫を残せなくてもいい
この幸せを手放すなんて、できない


腕の中の少し高い体温を
感じながら眠りについた








25個目の染色体/RAD WIMPS




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