小説 | ナノ



20歳前後R陣
柳→←赤









今日は赤也の20歳祝いということで立海のレギュラーで飲み会が行われていた。


「今まで一回も飲まなかったんっすよ!えらくないっすか!?」

「それが当たりまえだ!」

「真田が一つ上にいて、サークルの新歓とかでも飲めるわけがないよな・・・」

「ま、今日は俺たちのおごりだし、危ないと思ったら止めてあげるからさ、好きなように飲みなよ。おめでとう、赤也」


そう言い始まったのが1時間ほど前。既にそれぞれの顔色や言動に変化が出てきている。精市とジャッカルは酒が強いのであまり変化がないが、仁王や丸井はいつもよりもテンションが高いし、柳生もいつもよりにこにことしている。弦一郎ははじめに少ししか飲んでいないのであまり変化がなく、やはり顕著なのは赤也で。そして俺は、


「せんぱーい!ゲームしましょうよゲーム!じゃんけん負けたらこのジョッキイッキ!」

「赤也が負けてもしらねーぞっ」

「へへ、俺負けないっすー」


いつもよりへらへらとした笑いを浮かべて話す赤也は本当に楽しそうだ。今日このメンバーで集まるのも久しぶりだからであろう。


赤也の一言から始まったのゲームでじゃんけんを進めていくと、最後に残ったのは俺と赤也だった。


「おや、柳くんが残るなんて珍しいですね」

「・・・柳、なんか考えてるでしょー」

「なんでもいいっす!はやくじゃんけんしましょーよーっ絶対先輩にのんでもらうっすからね!じゃーんけーん・・」


ボソっとつぶやいた精市のセリフは無視してじゃんけんをした結果、俺の負け。


「柳せんぱいの負けっすー!わーい!」


俺にじゃんけんでも勝てたことがなかった赤也がとても嬉しそうにしているが、酒のせいで忘れているのだろう。赤也に勝つのが簡単であるのだから、負けるのも容易いということに。


「じゃ、ぐいっといっちゃってください!」


ずいっと目の前に出されたジョッキには並々と注がれているビール。


「・・・これくらい、大したことがないな」


ぐいっと一気に呷る。勢いよく飲んだために喉元に飲みきれないビールが少し流れたが、問題はないだろう。赤也が目の前でぽかんと口をあけて俺を見ているのがなんとなくわかった。

っは、と息を吐いて口元をぐっと拭い、やはり口をあけてぽかんとしている赤也に言ってやった。

「酔った俺を見ようとでも思ったのだろうが・・・残念だな、俺は精市やジャッカルと張るぐらいに酒は強い」

「は・・・ぇ?ぇえええええ!?」

「いやいや、俺より柳の方が強いだろ」

「俺よりもたぶん強いよ、そんなのイッキしたら俺ダメだもん」

「みんなで限界まで飲もうって飲んだとき、最後まで潰れなかったの柳だけだぜぃ?」

「う・・仁王先輩!嘘言った!」

「プリっ」


そういってぽかぽかと仁王を殴る赤也を見ていると、抑えている気持ちが膨らみそうになる。・・・もう忘れなければいけない感情のはずなのに。




「そろそろ、時間だな。」

「そうだね。じゃあそろそろ帰ろうっか!」

「うぃーっす!ごちそうさまでした!」


地元で飲んでいるとはいうものの、いい時間帯になってきたので弦一郎が声をかけ、変える用意を始めた。今日は本当に楽しかった。


「好きに飲んでいいとは言ったけどよ、ほんとよく飲んだな・・・」

「へへっだってうまかったんすもん!んっしょと・・・・ぅわ!」


立とうとした赤也がぐらりと傾いたので、腕をつかみ支え、一度座らせた。


「大丈夫か?気持ち悪いか?」

「気持ちは、悪くないんすけど・・・足に力はいんない・・・っ」

「足にきたんか、赤也」

「帰れんのかよー」

「ううっ・・頑張りますよっ」


そう言っても立ち上がろうとするたびふらつく。これではなかなか時間がかかりそうだ。


「・・・仕方ないな、赤也。背中に乗れ。おぶってやる」

「ええっ!?そんな!悪いっすっ!!!」

「ここで待たされるよりはちっとも悪くないな。ほら」


そういって腕を首にかけさせると、大人しく背負われた。


「じゃあ、・・・お願いします」

「ふふっ、それじゃ忘れ物はないね?出ようか」




外に出るとさすがに9月の夜は少し肌寒いが、背中にある温度のおかげで心地がいい。俺たちはみんなの一番後ろを歩いていた。


「先輩におんぶされたの、久しぶりで超懐かしい・・・あんときと変わんねえや」

「変わったのはお前の重さだな。重い」

「うわあ!すいません、」

「だが大したことはない。大人しくおぶわれていろ」

「・・・うぃっす。ありがとうございます」


ずり落ちてきたので立ち止まり、体勢を整えてやる。


「今日は楽しかったか?」

「はいっ!ほんとにありがとうございました!でも柳先輩の酔ったところ、見たかったなあ・・・」

「俺に敵うぐらいに飲めるようにならなければ無理だな」

「ははっそうっすね〜・・ふぁあ〜・・・」

「眠くなってきたか?」

「ん・・・柳先輩あったかいもん・・・・」


そういいながらぎゅうっと腕の力を強め、首元にすり寄ってくる。そんなことをされてしまえば、抑え込んでいた気持ちは今にも溢れ出しそうで。


「あんときと変わんない・・・あったかい・・・・・ず、と・・・俺だけ、の、場所なら、い・・・・の、に・・・・」

「赤也・・・?」

「・・・やな・・・・せんぱ・・・・・す、き・・・・」

「!」

「すぅ・・・・すぅ・・・・・」


思わず赤也を落としてしまいそうになった。もう一度聞こうにも、寝てしまっているし、きっと明日には告げたことなど忘れてしまっているはずだ。そう思っているのに、この溢れてくる愛おしさをどうすればいいのだろう。


とにかく前を歩く弦一郎たちに追いつくために歩調を上げるしかできなかった。















なぜかこの時期に赤也誕風な小説が出来上がってしまった件。だって新歓期だもの・・!お酒ネタ降臨するんだもの・・・!

立海R陣のお酒の強さは
柳さん≧幸村君>ジャッカル>>柳生=真田>仁王=丸井≧赤也な感じだといいなという風に悠亜は考えておりますwでもこのヒエラルキーは立海R陣だけのものであって、底辺の赤也もそれなりに強いと思う。


なぜか続きそうな終わり方になってしまったwwwwお持ち帰りとか考えたんですけど、このお話の柳さんにはそういったことをしてほしくないと考えました。続きは悠亜の時間と元気があれば・・・!そして需要があれば・・・!おそらく元気の方に加算されます。

読んでいただきありがとうございました!


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -