先輩たちが引退してもう2か月。
部長として部活をまわすことにも、もう慣れた。
そうは言っても、この2か月のうちにレギュラーだった先輩たちは毎日のようにかわるがわる遊びに来て、ワイワイと騒いでいく。そして気が向けば、指導にあたってくれたりもするので、部長として本当にしっかりやれているのかはわかり辛いというのが本音だ。
昨日は丸井先輩とジャッカル先輩。その前は確か真田先輩と幸村先輩で、その前は仁王先輩と丸井先輩で・・・
柳生先輩は外部受験をするらしい。仁王先輩が引退後すぐに悲しそうにそうぼやいていた。(俺にはそう見えた)
立海の高等部よりもレベルの高い高校を狙うらしく、あまり部活には顔を出してはくれないけど、来た時には必ず「よく頑張っていますね」と言ってくれるのだ。
あとは、柳先輩。
柳先輩もあまり部活には来てくれない。
「生徒会の引継ぎが大変でな」
9月の頃にはそう言っていたけど、もうすぐ11月になる最近ではもうそんなに忙しいなんてことはないはずだ。
でも。部活には来てくれなくても。
部活終了時間の頃には部室の前に来て、俺が部誌を書き終わるのを待っていて、そして一緒に帰るのだ。毎日。
引退前だったら、立場は逆であったもののよくあった光景だ。俺が柳さんを待って、一緒に帰る。
だって俺は、柳先輩が好きだから。
柳先輩が俺のことをただの甘えん坊な後輩としか見ていないとしても。
手のかかるダブルスパートナーだとしか見ていないとしても。
そうやって少しでも長い時間2人でいられればいいと思ってたから。
だけど柳さんが引退した今、わざわざ柳さんが俺を待つ必要はないはずだ。ただの甘えん坊な後輩で、手のかかるダブルスパートナーだとしても。
そのことに、淡い期待を持ちたくなるけど、期待の後の絶望の大きさが計り知れないだろうから、必死で抑え込む。
俺は柳さんにとって、ただの甘えん坊の後輩で、手のかかるダブルスパートナーで、放っておくことのできない存在であることは確かなんだ。それで、いい。
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すごく短い第1話。
そしてどこまで行くかわからない←
とにかく最後には幸せにしてあげたい。
どこまでどういってどう締めるか未定ですがとにかくお付き合いいただければ幸いです^^
なんか赤也っぽくないな・・・