(高校生設定)
明日が午後からの練習ということで久しぶりに赤也の家へ泊まりに行くことが決まった。
中学の頃から行き慣れているため、赤也の家族からも勝手に上がっていいとは言われてはいるものの、やはり気が引けるのでとりあえずインターホンを押す。すると中から赤也の大きな声が。
「ちょっと今、手離せないんで入ってきてくださーい!鍵は空いてますから!!」
その言葉に甘えてお邪魔する。
しかしこれが俺じゃなかったらどうするつもりだったのか。
あとあと聞いてみると、「だって柳さん、今から行くって連絡くれたらそれからきっちり20分後に来るんすもん。」と得意げな顔で言っていた。赤也に俺のデータがあることには驚いたのと、なんだかくすぐったい気持ちになった。
家にお邪魔すると、なんだかいつもより静かな気がする。
リビングの方へ足を進めてみると
「あ、いらっしゃいっす!」
そこにはエプロンをつけてニコっと笑いながら振り返る赤也がいた。
「今日母さんも姉ちゃんもいきなり帰ってこれないって言い出してー。父さんも昨日から出張行ってるし。だから夜ご飯作ってたんすよ!あ、夜シチューでいいっすか?」
「あ、ああ・・・」
「テレビでもDVDでも、好きなの見てくつろいじゃっててくださーい!あ、DVDあるとこわかりますよね?」
そういうとまた料理に戻る
・・・赤也は料理ができるのか。
それは赤也の性格を考えるとありえないことであり、データにも無いことで。
「(・・・興味深いな)」
そう思い台所に目をやると、せわしなく動く後ろ姿やその動きに伴ってぴょこぴょこと動くくせ毛。機嫌が良いのか鼻歌も聞こえてくる
「(かわいいな・・・)」
トントンっと規則正しい音が聞こえてきたので、近づきそっと後ろから抱きしめる。
「わ、柳さん?」
「赤也、料理出来るんだな。」
「へへっ意外っしょ?作れるモンは少ないんっすけど親が帰ってくるの遅かったり、今日みたいに誰も帰ってこない日なんかはちゃちゃっと自分で作って食べたりするんすよ」
「お前ならコンビニとかで買って食べそうなのに」
「それもそうなんですけど、一回料理手伝ったら意外と楽しくて」
「えらいな」
「そっすかね?柳さんもすぐできますよ。慣れっすよ、こんなの」
褒められたことが照れ臭いのか、少し突っ張ったように言いながら野菜を切り続ける
抱きしめたまま、赤也の髪に指を絡ませたりして遊んでいると耳に入った声。
「ぅっ・・・ってぇ・・・・」
「!?どこか切ったのか!?」
「ちがっ、タマネギが・・・っ」
「なるほど・・・っ!」
そう言われてみれば俺も少しツンとして涙が出てきた。
ぐず、と鼻を鳴らすと、柳さんまで泣いてるし、と涙目のまま目線だけを投げかけてにやにやとしながらで言ってきた。
「いつまでも後ろにいるからっすよー」
「うるさいな」
少し悔しかったので首筋にちゅっと吸い付く
「っあ、ちょ、危ないっすから!!・・・・またあとで、ね?」
少し首をかしげ、困ったように笑いながら言うのだ。
この顔で何かを頼まれると弱いことも知っているのだろうか。
わかった、の返事の代わりに頭の天辺にキスをし、もう一度ぎゅっと腕に力を込める。
「・・・ってゆうか、離れないつもりっすか?動きにくいんすけど!」
「ああ。赤也の動きがあまりに可愛いものでな、きっとテレビを見ていても集中できない。」
「は、なんすかそれ」
軽く言葉を交わしながら、赤也は肉や切った野菜を鍋にいれ炒めていく。
その手つきはやはり馴れているようで、手際がいい。
これは・・・・・
「―――将来が楽しみだな」
「!?!!?!??」
まるで茹でたタコのように真っ赤な顔をしてぐるんっと勢いよく振り向いた赤也。心の中で呟いたはずの言葉が口に出ていたらしい。
すると赤也はじっと俺を見つめ
「―――ちゃんと、貰ってくださいよ」
そういって軽く音を立てて俺の頬にキスをした。
「・・・・・・・・・」
「・・・目、開いてますよ」
「・・・不意打ち、だな」
「たまにはいいっしょ?」
プイっとまた鍋と向かい合う。
そんな態度はやはり恥ずかしいからだな、と真っ赤に染まったままの耳を見て思った。
ぐつぐつと音を立てるシチューのいい香り、腕の中には恥ずかしがり屋の可愛い恋人。
・・・幸せ、だ。
雪が降りそうなこんな寒い日にはこれぐらいが丁度良い。
そう思いながら赤也を抱きしめる腕にまた少し力を入れるとふふっと笑い声が聞こえた。
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ゆん様から相互のお誘いをいただいた上に、絵を頂けるということなのでこちらからも捧げさせていただきたく・・・!!!これからよろしくお願いしますね(^o^)!!
いちゃいちゃお料理な柳赤リクでした^^個人的に赤也が料理上手だとやばいんで赤也君に頑張ってもらいました^///^
お持ち帰りはご本人様のみでよろしくお願いします