小説 | ナノ



終電後の誰もいない道

二人で何も話さずひたすら歩く



あの中学の暑い夏から3年
また、夏が終わった





ずっとそうだった
ただそばに入れるだけで楽しかった
嬉しかった
心地よかった
いつのまにか愛おしいという気持ちまで溢れてきて

倒したいと願っていた人がそんな存在になったことに戸惑いがなかったわけではない

だけどそれを伝えれば「俺もだ」って恥ずかしそうに言ってくれて、間違いじゃなかったと思えた

そして永遠だと、思ってた。





柳さんが別れようっていうまでは。



「赤也、すまない」

「謝ってなんか欲しくない・・・!」

「・・しかし俺が謝りたいんだ」

「いらねぇよ・・・!!」

「・・・」


最後になるだろう口づけをそっと、珍しく柳さんからしてくれた


優しすぎるそんなキスじゃ別れようなんて思えるわけないじゃないっすか


たまらず柳さんを抱きしめた


身長はあと少し届かなかった
だけど抱きしめるという格好が決まるようにはなった


あと少し、もう少しだけでも、


もう、喧嘩もしないんだ
ヤキモチ焼いて拗ねる事もないんだろう
柳さんを泣かせて幸村部長に怒られることもないんだろう


なんだ、いいことばっかじゃん


・・だけど、やなことばっかりでも柳さんがそばにいることの方がずっと幸せだって、何回も言ってるのに。


あなたには届かなかったんすか?






赤也はいつだって軽々しく未来を口にする

「ずっと一緒にいましょうね」
「ずっと大好きです!」
「一生幸せにしてあげます」
「死ぬまでそばにいてね」


俺の心にまっすぐ届きすぎるその言葉達に俺が溺れてしまったときに、お前が俺に飽きたらどうすればいい?そんな未来は、耐えられない。しかし、そう遠くはないだろう未来。高校に入って、中学よりもモテるようになったことを知っている。


俺はもう、溺れそうなんだ
今じゃないと、手遅れになる


結局は、自分が傷つくのが怖いだけなのだが。

そして赤也に幸せになって欲しい
俺ではきっと、無理だろう

しがみつくように俺に抱きついている赤也のふわふわの髪を撫でるのが好きだった。
撫でたときに見せる無邪気な笑顔が好きだった


もう横に立って笑うことも
もう横で眠ることも
もう名前を呼ぶことも出来ない

そこは、俺の場所じゃないんだ。



「−−−−柳さん・・・」

「・・なんだ」

「俺、ほんとに柳さんじゃないとダメなんです。ずっと一緒にいたいって気持ちは、あの頃からほんとに変わってなくて、だからこれからも俺、」

「赤也・・!」

「聞いてくださいよ・・!
・・・俺の隣はずっと柳さんの場所だから。ずっと開けておくから。死ぬまで、ずっと。
別れたって、ずっと好き、大好きです。それは忘れないで。だから、柳さん、俺を忘れて幸せになれなんて言ったら、許さない。柳さんを忘れるなんて出来ない。」


「お前は・・・」


どうしてそんなに、


「好きな人には幸せになってもらいたい。

俺と別れたいのってそういうことでしょ?
それと一緒っすよ。俺も、それで柳さんが幸せなら、それでいい。でもさっきも言ったけど、ずっと柳さんの場所は開けてますからね。待ってますから。



・・・・さよなら、大好き」



俺をもう一度強く抱きしめ、頬にキスをして駆けていく。声が震えていたのは、泣いているからだろう



「あか・・・っ・・・」



もう名前を呼ばないと決めただろう。あの子が泣いていたとしても、俺には頭を撫でてやる権利はもうない。それでいいと決めただろう。


なのにこんなに苦しいのは


きっと赤也の最後の言葉が優しすぎたからだ。




「本当に、待っていてくれるのなら、5年経っても変わらないのなら、」






俺も赤也と生きたいんだ

そう言ったら笑ってくれるだろうか






▼笑顔動画のtjhnで楔を
みたときからいつかいつか
と思ってた結果がこんなもに\(^o^)/

別に名前くらい呼べよなんですが、
引退して高校生ですから、
関わりも少なくなるし丁度いい
ってゆう柳さんのけじめだと←

あれ、なにいってるかもうわry

ありがとうございました!


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