小説 | ナノ




「「「ハッピーバースデー!!!」」」


「!?」

朝練のため
部室のドアを開けると
満面の笑顔の先輩達
大きい包みを抱えた柳さんが
真ん中にいる


「赤也、今日誕生日だろ?」

「え・・・あーそっすね」

部長に言われて思い出す
(今は俺が部長だけど俺にとって
幸村部長はいつまでも部長だ)

完全に忘れていた
いつもなら3日前ぐらいから
プレゼントをねだっていた
(去年、丸井先輩にお菓子をねだって
すごい顔で睨まれたのを思い出した)

けど今年は

先輩が引退して、

部長になって

今までみたいに自分の練習だけ
ってわけにはいかなくて、

そのほかにも雑務はたくさんあって

忙しさのあまり、わすれていた



「そんなことだろうと思って、
俺たちからプレゼントでーす!」

「開けてみろ」

柳さんに促されて
恐る恐る開けてみる


「なに、え、これ・・・」


そこにあったのは最新モデルの
テニスシューズ


「切原君は良く動くでしょう?」
「だから、傷むのも早いだろぃ?」
「今履いているシューズも
かなり使い込んでいるだろう」
「しかも、お前さんこの間
それが載ってるページ
じーっと見とったじゃろ」
「安心しろ、サイズは合っているはずだ」

「・・・」

「これはみんなから赤也に、だ。
おれ個人からはこれ」

ジャッカル先輩は救急箱セット

「お前怪我よくするもんな」


「おれからはこれだ!」

丸井先輩からは手作りケーキ

「天才的な飾り付けだろぃ?
味も天才的だぜ!」


「私からはこちらを」

柳生先輩からは
ふわふわのタオル5枚セット

「タオルはいくらあっても
困らないでしょうし」


「俺からはこれじゃき」

仁王先輩からはグリップテープ

「これも、欲しいゆうとったじゃろ?」


「俺からは、これだ」

柳さんからはデータノート

「お前の弱いところや
他校の二年生の分だ」


「俺からはこれをやろう」

真田副部長からはいわゆる
真田の書

「気合を入れるんだぞ!」


「最後に、俺から」

幸村部長はヘアバンド

「結構便利なんだよ、これ
赤也も癖っ毛だしねー

・・・赤也、お前ならやれるはずだ
来年は立海に王者の名をもう一度」


俺の腕の中にプレゼントは
ぽいぽいと放り込まれていく
(ケーキは部室の机の上だけど)


「・・」

「あれ、嬉しくない?」

「って、ちょ、赤也!?」


あれ、俺・・・泣いて・・?


引退した先輩たちが
後輩の俺の為に
ここまでしてくれたことが
嬉しくて嬉しくて

久しぶりに感じた先輩の存在が
大きくてあったかくて
この涙は止められそうにない

しかし腕にはたくさんの
プレゼント
拭うことができない

とにかく、言わなきゃ、


「せんぱ・・・っ
ありがとうございますっ・・!」


涙声でちゃんと声は
届いたかわからないけど
慌てていた先輩達が嬉しそうに
笑ってくれたのでよしとする


「今日の朝練、ヘアバンド
つけてやってみてよ」

「ええ!?そんなの、」

「いやなの?^^」

「いっいや、だって俺、
部長に追いつけてないし、
だから、その、」

「そういうことか」

「大丈夫だ、もう赤也は
十分に強い」

「それに、俺が見たいんだ」

「はようつけな、知らんぞ」

「・・・・

どっすか」

「似合うじゃん、赤也」

「ええ、色もピッタリですし」


「それじゃあ、
・・立海を頼んだ切原部長!」


「・・・ッス」










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