小説 | ナノ



「柳さん、生まれ変われるなら
一緒に生まれたいっすね」

「?」

「生まれ変わってまた巡り合ってとかは
もうめんどくさいじゃないですか
もし一つの命として生まれたら
喧嘩もしないで済むし
どっちかが先に死ぬこともないし、
同じ友達がいて、一緒に誕生日祝って
嬉しい時は二倍笑って、
二倍顔にしわ残して、ね、」

ベットの中2人で寝転びながら話す
中学の時から続くこの関係も
もうすぐ10年

周りが結婚などをしていく中で
誰にも言えないこの関係を
赤也は嘆いているのだろうか


「でも、やっぱり、
一つの命は嫌っす

ダブルス組んだりできなかったし、
笑いあったり、こうしてぎゅってしたり
できないですもんね

柳さん、だいすき」

そういって抱きついてくる赤也の頭を
ぐしゃぐしゃと撫でる


ああ、離れられそうにない


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