短編 | ナノ

★Adult


あのラブホでの和解事件から数日後の夕方……
私は強く思ったのです。
赤井さんと年の差ヤバくね?と。
いや、私的には別に全然気にしてません。お互いが思い合っているなら問題ない、と。
ですが、………赤井さんに似合う彼女になるには、それ相当の"色気"が必要なのではないかと。

久しぶりの恋人という存在に少し舞い上がってるせいか、やはり恋人のために出来ることならば何かをしてあげたい!と強く思ってしまうのです。

思い悩んだ結果。私はある人に相談をすることにしました。
………そうです。お察しの通り、ベルモットにです。

ーーーーーーーーー
ーーー

今日は秀一の家に泊まる日。朝からその事ばっかり考えてしまう程、もの凄く嬉しい。
だが、
ベルモットから、秀一の家に行く前に会ってほしいと頼まれ、最近人気の出ているカフェに立ち寄ることになった。

「ん?ねぇ、何これ?」

渡されたのはセンスの良さげな黒い紙袋だ。

「開けて見なさい。きっと気に入るわ」

にっこりと微笑むベルモットに乗せられて私はその袋を開ける。

「……う、うわぁ"、!」

開けたものを一瞬にして閉じる。

「ベルモット!これって、……バカ!」
「あら?バカとは失礼ね。それにそれはただの女性向けのA…」
「静かに!ここ店だから!」
「うるさいのは菜々よ。それくらいで興奮しないで頂戴?」

はい。ベルモットに頂いたのは女性向けのAV…つまり、アダルトビデオです。
うっ……、だってこんなのマジで見るの初めてだし、なんか、照れるというか……とにかく、落ち着けないのよっ!

「なんでこんなDVDなんかもってるの!」
「あなたってホントにお子様ね。見た目とのギャップありすぎよ。ギャップ萌えもありだけど……こういうものを見て女としての魅力とテクニックを伸ばしなさい。」
「見た目関係ないしっ!それに、て、テクニックって……」

あー。ダメだ。なんかベルモットが正しく聞こえてくる

「菜々が自分から女を磨くって聞いたから協力しなくちゃと思ったのよ。………はい。ついでにこれもあげるわ。これでも着て彼を喜ばしてあげたら?」

もう一つ今度はピンク色の紙袋を渡され、パカッと開けて中身を見てみる。

うっ……うおっ。
これまた難儀な……
ベビードールじゃないですか。にしてもこのデザイン、異常にエロくないですか?

「もう7時でしょう?早く愛しのハニーのもとへ行きなさい。………上手くやるのよ。」
「…ん……どうもです。」

私はこの2つの袋を持ってお店を出る。会計はベルモットがしてくれたから私は秀一の家に向うだけ。

………よし。
自分で決めたことだ。少しでも早く秀一に近づきたい。
菜々さん、頑張ります。

ーーーーーー

秀一のマンションに無事についた。
彼はまだ帰って来てない。でも、心配ご無用!合鍵はちゃんと貰ってるんだよね。
鞄から鍵を取り出し、鍵穴に差し込む。その行為の度に顔がつい緩んでしまうのは私だけの秘密だ。

部屋に入り、中央のテレビの前にある大きなソファにどかっと座った。

「やっぱり秀一、帰ってきてなぁーいっ!」

暇ですねぇ。
恐らく彼は9時頃に帰ってくるに違いない。食事も済ませて帰ってくるだろうから、私も先程ベルモットと一緒に済ませた。

残りの時間は………っと思ったとき、つい…この二つの紙袋に目がいった。

「………せっかく貰ったんだし、使わないのは……失礼ね!」

ああ…….言い訳だ。そんな事自分が良く分かってる。
だが、興味の方が遥かに強い。比率で示すとすれば、興味とそうでないのは8;2。

「女にだって性欲はある。」

それを建前に急いでお風呂を済ませ、今日ベルモットに貰ったベビードールを身に付けてみた。

ピンクと白の可愛いらしいデザイン。だが、忘れてはいけないのはとんでもなくエロいデザインだということ。
もはや、隠されるべき所が隠しきれていない!

だが、

「か、可愛い……」

センス良いな!ベルモット!
ついそんなセリフが頭をよぎる。

ソファーの前に座り、楽しみに……いや、勉強の為にベルモットから貰ったDVDを、ポータブルDVDプレイヤーに入れる。
なんで、テレビで見ないかって?
それは、そんな勇気はまだ流石に有りませんよ!
ただでさえこの家のテレビはデカイですからね……大画面でAV鑑賞はまた今度にしましょう。

イヤホンを付け、コンテンツを再生する。すると私は直ぐにその内容に惹き込まれてしまったのだった。

主婦の女性がイヤイヤと言いながら同僚男性に犯され喜び、最終的にはその事が旦那にバレ、仲直りセックスの際女性が男性に奉仕する……といった王道パターンだった。
だが、
それは……堪らなく私を興奮させた。

焦れったく脚を組み替える。
下腹部がむず痒くて仕方ない。
本当は秀一に触って欲しくて堪らない。でも、今はいない。
でも触らなくちゃ、この強く、掻き乱すような疼きからは逃れられない。
だから私は……指を下半身に持っていった。

パンティの中に手を突っ込むと既にその中は滴る蜜でいっぱいだった。
AVでこんなに興奮してたなんて。新鮮さを覚えつつ、まずは手始めに早くイキたくてクリトリスを強くなじり始めた。

「ぁ…んあ、あ、」

我慢しようとしても耐え切れない声が漏れる。

「あ…や…だめ…っ」

言葉ではそう言いながら、菜々はどんどん激しさを増している指の動きに気持ち良さを感じ、腰も自然とゆさゆさと振り始めた。

それでもなお、普段のイッた後の達成感を知ってるせいか、物足りなさを感じる。そんな欲の隙間を埋めようとベビードールの開かれた胸元から腕を挿入し、その白く碗型の乳房を揉みしだいていく。

「……ん、んっ、っあ、……しゅうっ、ん、」
「……呼んだか?」

…………え?
ピタッと私の動作が止まる。

意外と近くに聞こえた声、と、その存在を意識した私はカァァァァと顔が赤くなり、バレた事への恥ずかしさで涙目になってしまった。
恐る恐る振り返ると、予想よりもすぐそばに私の愛する彼がいた。

「ぇ、……しゅう…ウソっ……今の見ててっ……!?」
「俺の名前を呼びながら随分可愛らしいことをしてるじゃないか。」

きゃゃゃあ!見られたぁ!!
いやッ……嫌われたくない!
さっとプレイヤーの蓋を閉じ、イヤホンを外す。

そこで不幸中の幸いか、咄嗟にいい事を思いついた。

このAVで女性は旦那とのセックスで主導権を握り、満足させ、許してもらう。というシナリオだった筈だと。つまりこれは……使えるんじゃね?と。

決心を決めた私は秀一の右腕を強く引っ張り、背後にあるでっかいソファーに一緒に倒れ込んだ。
勿論引っ張ったのは私だから私が下になってしまったが、直ぐに脚を使って秀一の上で馬乗りになり秀一の胸板にもたれ掛かった。

「…….いつから見てたのよぉ。今日は遅くなるってメールで言ってたのに……ねぇ、お願いよ、早く忘れて…!」
「忘れるのは惜しいな。良ければ続きを見せて欲しいくらいだからな。」
「もう黙って……今日は私が秀一にするの。上書き保存よ。」

自慰を見られた事による羞恥で真っ赤になった顔で堂々と宣言する。

手始めにベルトのバックルを緩めズボンを脱がし、彼が着ていた服も一枚ずつ脱がす。
ポイッと次々にソファーの下に投げ捨て、狙いをつけていた黒の Yシャツのボタンを数個外し、あわらになった肌に唇を落として気が済むまでキスマークを付けた。

「菜々……」

掠れた声で私の名前を呼びながら秀一は空いている手で私のお尻の双丘を撫でたり、やわやわと揉んできた。

「秀一……ストップ。今日は私に触らないで。黙ってただ私を感じてて。」
「おい……それは流石に無理な相談だぞ菜々?家に帰ってきたら、そんなエロい格好でAVを見ながら可愛い事をしてたんだ。それにこんな羞恥で泣きそうな顔で俺の服を脱がすとか……俺だってそろそろヤバイ。」
「そのネタはもういいから!…んあっ……」

ぐっと頭を引き寄せられキスをされる。啄ばむようなものから口の中を舌で蹂躙されるようなものまで。

キスが一旦終わったかと思うと、秀一が腕を使って次のアクションに移ろうとしたので急いで私は秀一の腕を掴み彼の頭の上に固定する。

「動かないでって言ったでしょ?言うことを聞かないなら…….縛るわよ。」
「縛るって……随分刺激的なワードを使うじゃないか。」
「して欲しいならするけど?」
「…それは遠慮しよう。」

正直、秀一が帰る時に丁度イケなかったから早くこの疼きを止めたい。

あーもう……そのままこのおっきいので私の奥まで貫いて欲しい。
太くて長い立派なもので私の中をめちゃくちゃにして欲しい。

そんな性欲が私を支配する。

ヌルヌルと濡れ始めたボクサーパンツに手をかけ、太腿まで下ろした。

「ふっ。菜々、そんなに耐えられないくらい俺が欲しいか?」
「……欲しい……頂戴よ。言ったでしょ?…すっごいワガママだって。」
「そんなワガママだったら大歓迎だけどな。」

私はゆっくりと秀一に見せ付けるようにパンティを脱ぎ、そして放り投げた。

そしてそのまま秀一のそそり立ったモノにゆっくりと腰を下ろす。

「んっ、…ぅんっぁっ、……ん、ぅ」

時々彼のモノが私の強く感じてしまう部分を擦る度に甘い吐息が漏れる。それでも、腰を落とし終えるとその圧迫感に優越感を得た。

「既にヌルヌルだな。」
「…はぁっん、秀一だって先っぽがヌルヌルしてた癖に。……もう、待ちきれないの……秀…動くわよ、…ってきゃっ!」

動こうとした瞬間、私が安堵をついたその一瞬を付いて私は秀一によって下にさせられた。

「ちょっ!私が上よっ!」
「……あのなぁ、菜々のその顔と言葉を聞きながらこんなに焦らされて黙って感じてろってか?…我慢なんかできるか。俺が帰るのが待てなかったんだろ?なら俺が満足させてやる。」
「……へっ?それはどんな思考回路をしたらそんな答えに…」
「疼きをどうにかしたいだろ?とりあえず一回イッとけ。」
「えっ………にゃっぁんっ!」

秀一は熟知している私の膣襞の気持ちいいところを強く刺激し、私は一瞬で高みに引っ張り上げられてしまった。

「ふっ。……にゃんって可愛いけど、なんか虐めたくなるな。……そうだ菜々お医者さんごっこでもするか。勿論菜々は猫ちゃんだけど、」
「…バカ。…っん、しなぁ、い…っ!」
「じゃあ、今度はしような。」

怖くない程度に睨み付ける。
そんな菜々の目を口元を緩めながら菜々の身体をうつ伏せにし、腰を上げさせる。

「そんなイッた後の涙目でそんな事しても煽ってるようにしか見えんな。……安室くんにそんな顔、見せるなよ?」

秀一は私の腰をしっかりと支え、強弱をつけながら欲望のままに腰を打ち付けてくる

「っ、あ、んんっ」

後ろから突き上げられるたび、意味も持たない声が漏れる。既にぐしゃぐしゃになってしまった私の秘部を晒してるのかと思うと、その羞恥からもっと濡れてくるのを感じる。

「っ、してっ、なぁぁいし…」

その言葉を満足げに聞き、菜々の背中に所有印を示すかの様にキスマークをつけてきた。

「いい子だ………俺だけをみてろ。………あまり他の男に触らせるな。」
「……っあ、あ、そこっ!……っぁぁ」
「くっ……そんな締め……っ!」

秀一が耐えきれずに切なげな掠れた声が耳に響く。
そしてドクドクと吐き出される精液の熱をナカで強く感じた。どろりと膣襞に絡み付いて、私の中を満たしていく。

形を形成しない"幸せ"ってモノを感じれる瞬間。

「…菜々、………愛してる。」

そんな言葉を聞きながら私はゆっくり意識を失った。

ーーーーーーーーーーー
ーーーー

翌日、私はバーボンと任務に出掛けており、今はバーボンの車の助手席に座っていた。

何と無く暇を感じ、スマホの画面をつけるとメールが届いてる事に気付いた。

秀一だっ!

『今日は6時頃に帰れそうだ。菜々さえ良ければ夜は何処かに食べに行こう。』

やったぁ!最近一緒に食事はしてなかったから純粋に嬉しい!
……ん?

何かまだ続きがある…?

『………追伸、昨晩の菜々の行動は特に可愛かった。
今も安室くんと一緒なんだろ?頼むからくれぐれも何もされるなよ。』

されませんよ!!

「もうっ、ほんとバカ」

そんなことをいいつつ、にやけが止まらない口元。
そんな姿を横目で見たバーボンは、

「……気持っち悪いですね。携帯の画面を見ただけでにやけないで下さい。」
「なっ!失礼な!にやけてないしっ!」

彼に似合う大人の女にはまだ程遠かった。

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