Rojo | ナノ

Rojo

*裏要素あります。


秀の片手が私の腹部をガシッと掴んだ。

「…ッ」

着物越しに伝わるその体温、掴んだ時の感触がむず痒くて身体に力が入った。

ガッーー

「…っあ。手首、、、」
「あまり暴れるな。手首を痛めるだろ。…っちゅ」
「……っあ、っ、ん」

労わるかのようにキスをしながら結び目と肌を撫でてきた。

括り付けられたネクタイは意外にも強く縛られていて自力では取れそうになかった。
秀の態度からして冷静さを保っているのかと思っていたが、実際はそうじゃないのかも知れない。

ま、…じゃなきゃ、無意識でこんな縛り方しないでしょ、
絶対私を逃げられなくするためじゃないの。逃げやしないのに。

「まさか、ここまで……」
「ん?……なに?」

自分に馬乗りになっている秀に目を向けた。

「いや……まさか、ここまで一人の女にここまで固執するとはな、ってな。」

秀の口角は上がっていた。
だから口を尖らせ、ムッとした顔をした。
だって、……なんか以前までは私はそのらへんの女と一緒だったんだって言われてるみたいでムカついたから。
だから、少し虐めてやる。

「ふ〜ん。なにそれ?……まさか私も他の人達みたいに遊びで終わらせる気だったわけ?それはそれでムカつくんですけど?ねぇー?……しゅーいちさん?」

秀の目をキリッと睨んだ。
そしたら一瞬キョトンっとした顔つきをしたが、直ぐにハハッと笑った。

「まさか嫉妬してくれるとはな。ハハッ。だが、…まさかここまで自分を抑えきれない程だとは思わなかったんだよ。……失う前に気付けた。このままでは俺たちの関係はヤバくなってたんだろ?」
「ん、そーかもね。秀の事は大好きだけど、組織の事になると妙にぎこちなくなる秀に少しムカついてはいたんだよね。契約契約って。恋人ならなんでも知りたいもんじゃないの?ってね。まぁ本当は別に今日言うつもり無かったんだけど、なんか、気づいたら言ってたね。ふふっ。」

そう言って笑ったら、秀が少し不満げな顔をした。

「……やはり俺には女心は難しいな。分かるようには努力するが、俺にも分かるように言ってくれると助かるんだがな。」
「ん?FBIきっての切れ者ならぬ組織を潰すシルバーブレッドになる男でしょ?女心のほうがカンタンじゃないの。」
「……好きな女の気持ちは分からないものさ。」
「なにその間。それにその言い訳っぽい言葉。まぁーいいけど、もうこの手首外してくんない?もう洗いざらい喋ったんだし。」

話すことも話し、そろそろこの姿勢に不自由を感じ始めた。
これでは、自ら秀にキスすることも抱きつくことさえも出来ない。それにこの体勢でこれから起きる快楽に耐える自信がないって言う方が正しいだろう。

「ああ……だが。やはり、この格好、なかなかにそそるな。」
「はぁ?」
「…なぁ。菜々、今日はこのままシたい。……ダメか?」
「……え!」
「嫌か?」

髪を優しく撫でられ、アイコンタクトが長く続いた。いいよ、というまで反らせれなさそうな雰囲気が私を追い詰める。
てゆうか、なんだろこの…妙な仔犬感、可愛いんだよな……赤井のくせに…

「あ、別にいや……、じゃないけど、、」
「ほー。なら遠慮なく。」
「あー!ちょっ、まって!まって!タンマ!タンマ!ストップ!」

ちょ、なんかうるってしてたと思ってた目がもう据わってるんですけど、この人!

「…なんだ?…悪いがもう待てない。」

いや、だからさっきの仔犬感どこに行ったんだってば!

「あー、いや、だから、さ?………えっと、ほら!私さ秀の前で着物なんかきた事なかったじゃん。だからよく時代劇で悪代官様がやってる『あ〜れ〜』ってやつしなかったからいーんかなって?したいでしょ?あれ。世の男の憧れ!だから、これ解いて欲しいなって。」

チラッと手首の方を見て目配りをした。
で、ベルモットから教わった潤目の上目遣い&微笑み!
これでどうよ。

「…………。」

え?無反応!?
え、ここで?
それはちょっと傷付くぞ、

「……やっぱこのまま抱く。」
「は?!……さっきまでむちゃくちゃ無反応だったじゃないですか!」

「いや、かなり興奮した。菜々が提案してきたやつは次やる。」
「………変態。」
「ハッ。褒め言葉として受け取っておくよ。……仕置きもあるからな。今夜は寝れるとは思うな?」

OKを出されたこの大型犬は嬉しそうに私の口にキスをした。

「…っふ、…ん。」

秀の大きな手が着物の上から胸を型取るかのようにして下からガッと揉んできた。
その独特な感触から逃げるかの様にして少し身体を上の方に上げれば、秀のもう片方の手が私の腰を抱き込み、それを阻止する。

「ん、…ちょ、秀、近い、」
「フッ。安室くんとはこれ以上に近かったんだろう?なんせ、キスをしたんだって?これくらいそれには及ばないだろ。」
「そんなの、……屁理屈。」

すぐ目の前にあった顔が下へと降りていく。
秀の顔が私の首元に埋まった。

「ッ、!…イッタぁ、」

こいつ……わざといつもより強く首元を吸ったな。
こりゃまた…際どい位置にキスマークを付けられたし。

「仕置きをするっていっただろう。それに身体で分からせてやった方が物覚えもいい。初めて会った時もそうだったしな。」
「…その言い方…無駄にエロくしないでよ。あの時はただの射撃を教わっただけよ、」

肩がいい感じに剥き出て、白い肌が少し暗めの部屋に綺麗に映えている。
それを感じた私は秀一の目もあってかなりの羞恥に襲われた。
フッと目を逸らす。

「ふっ。………こうすると一気にエロくなったな。あの頃とはもう違うな。」
「…なによ、老けたって言いたいの?」

一瞬キョトンとした顔をしたと思ったら柔らかい表情で笑い、片手を私の頬に当ててキスをしてくれた。

「ふっ。違うさ。イイ顔をするようになったと褒めてるんだよ。ほら、こんな風にな。」

秀の親指が私の唇に触れた。

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