Rojo | ナノ

Rojo

*裏要素あります。


「……ん、はぁ…ゃん」

息をする合間に甘い声が漏れ、自分でその声を聞くと、興奮が増していく。

「我慢しなくていい、声、聞かせろ。」

予想はしていたけど、いや、確実にわかっていたけど、
今いる場所は……ラブホ

「も、やめ……あっ、ん…」

指の動きが激しくなって、漏れる声も激しくなってしまう。
菜々は無意識に全身に力を入れて、指の動きを自分からももっと強く感じようとする。もっとして欲しいけど、これ以上されると自分が壊れてしまいそう。
もう少し、ほんの少しの差で絶頂に登り詰めそうだった。

「は、ぁっ…や、っめ……」
「……1度イっとけっ……」

ライは少し大きくなった突起に不規則な刺激を与えていく。
ライの息もまた荒くなり、それを隠すように菜々の乳首にしゃぶりつく。

「っんぁ、んぁああ!」
腰を仰け反らせ、足の先までぴんと張り、快楽を躰全体で感じとった。

「……まだまだこれからだぞ、」

菜々を見下ろしながらゴムを装着し、先ほどの刺激で十分すぎるほどに濡れた割れ目に一気に中へと押し進んだ。
深く差し入れを繰り返す。

「…まあっ、て!…ぁあ、ああぁ、はぁん……」

待っての声も聞かず、更に力強く腰を打ち付ける。

「あ、ぁんっ、やめっゃ、め……」

菜々は今までで一番大きな快感におかしくなりそうだった。
今すぐにでも逃げ出したいのに、ライに阻まれ、続く刺激。
シーツを握ってみたり、ライの首を抱き締めてみたり、躰を捩ったり・・・
どうにか快感を逃そうとするが、ひたすら気持ちが昂るだけ

ライはさらに密着度を高め、小刻みに振動を与え始めた
すると菜々の声が一層甘くなり、ライは菜々の反応に意識を集中させる。
そのまま胸の突起を口に加え、舌で優しく転がせば、菜々は身を捩って快感に耐える。

「ゃあん、はぁっ、ぁんっっ」
「………俺も、ヤバイ、」

ライの声も余裕のないものになってきている。
抱きしめあって、キスをして、お互いを感じ、快感に酔い痺れる。

「やぁっ…ああっはん!……ぁあああああああっっ」
「………ック……」

ライが限界を迎えたのを肌で感じて、最後にしがみつく腕に力を込めた。
そしてそのまま、もう何も考えたくはなかった―――

ーーーーー

「にしても、シェリー酒を使うとはなぁ」

くくっと笑う彼になんとなく気恥ずかしかった私はライとは反対側へゴロンと体の向きを変えた。

「うるさい。乗ったのはそっちでしょ。……それに、私だって、断られたらどうしようって思ったんだから。」
「はっ。俺が断わるとでも?……断らんさ。そんなことあり得ない。お前を最後に抱いてから今日の一週間までずっとお前の事を考えていた。」

「ちょっ、…直球すぎ、私目の前にいるんだけど。」
「お前には直球が丁度いいんだ。のらりくらりとかわしやがって。甘えてきたと思ったらまた直ぐにキバを向けてくる。ま、甘えてきた今日のお前はとびきり可愛かったけどな。」
「〜〜ッ!もうほんとバカ。すぐそういうこと言う!」

「だからそんな顔をしてもなんの牽制も出来てない。頼むから他の男の前ではそんな顔をしてくれるなよ。」
「どんな顔よ!?私は生まれつきこの顔よ。」
「はぁ。少しは自覚してくれ。」

それから行為の余韻を楽しむと共に"ただ"の世間話に華を咲かせた。
CIAもFBIもはたまた組織でさえ一切関係無い話を。
2人にとっていつぶりかの何も考えなくてもいい時間であり、"自分"という確かな存在を思い出せたトキであった。
もっと、もっと
この時間が続けばいいに。そう願わずにはいられなかった。

ーーーーー

暗い部屋の中に、明るい光がカーテンの僅かな隙間から平たい板のような形で射し込んできている。
甘い夜、いい目覚めかと思われたが

無機質な携帯電話のバイブ音が部屋に響いた。

「………ん。シェリーちゃんだ。」
「俺の事は気にせず出たらいい。」

ライの言葉に甘え、電話に出ることにした。

「んー、シェリー?朝早くにどうしたの?」
「菜々!ちょっと聞いてよ!ジンが昨日の夜に私達に内緒でまだ研究中の"APTX4869"を人間に投与したって!」
「はぁ!?まだ人体実験も終わってないのに?何してんのよあの男は!それで?その投与された人間って?」

「今、名を馳せている高校生探偵の"工藤新一"ですって。貴女も名前くらいは聞いたことあるんじゃない?」
「……え?……」

し、新一なの?
あの薬を研究している1人としてあの薬の恐ろしさは理解してるつもりだ。…いや、実験結果が不確かな分恐ろしいとも言える。
新一が……死んだかもしれない。

私の様子がおかしい事に気づいたライが不振そうな目を此方に向けている。
ライは組織の一員。それも相当上位の幹部だ。態度に気をつけないと。

「……どうしたのよ?」
「あ、いや、で?」
「ウォッカが取引現場を見られたからジンが飲ませたそうなんだけど、まだ死亡の確認が取れていないから私達も調査しろとの命令よ。」

あ、まだ死亡確認が取れてないんだ。
まだ可能性はあるかもしれない。

新一、いろいろ事件とか首突っ込んでるからいつか痛い目に合うとは思ってたけど、今回はヤバイ事になったわね。

「というわけだから、今から工藤新一の家を調査する事になったわ。出来るだけ早くコッチに来なさいよ。」
「分かった。すぐ用意する。」

それにあれはまだ試作品。
何が起こるかあまり良く分からないし、不発で終わって欲しい。

絶対生きてなさいよ。
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