Rojo | ナノ

Rojo

東都デパートの地下駐車場置き場に停めてあった黒色の車の助手席に座る。勿論ベルモットは運転席に。
あ!言い忘れていたが、ベルモットは、いや、組織の知り合いの人は大体私の本名を知っている。なぜ偽名を使わないかは、
@CIAのコネで元々私の戸籍やら生い立ちは作り変えられているから。
Aここは日本で、故に私の事を知っている人が少なからずいるので、その人達に対して説明がややこしくなるから。だ。

それ故にベルモットは基本私の事は菜々と呼んでくれる。

「で?そのヤっちゃった相手とは何回目なの?」
「……1回目。てか何?ベルモットってそんな恋バナとか興味のある人間だっけ?」

車を発信させる。サングラスをかけて片手で運転する彼女はなんとも色気ある。

うらやましいな。
私も金髪にしちゃおっかなぁ。

自分の毛先を弄びながらぼんやりとカラーチェンジした自分を思い浮かべた。

「菜々のだから気になるのよ。いいじゃない教えてくれたって。で?また会うつもり?」
「えー。ベルモットは秘密主義のクセにズルい。」

「"A secret makes a woman woman."女は秘密を着飾って美しくなるの。」

「…じゃあ私もそれで。」
「パクらないで。……ほら教えなさいよ?」

サングラスをかけ、運転しているベルモットの姿を一目してからまた外を眺めた。

「だって、正直分からない。会うかもしれないし、会わないかもしれないんだもん。」

正直。気まずすぎて会いに行きたくないしさ?でも、CIAの仕事的にはなぁ。あの人を捕まえれたら今後的には結構大きいだろうしなぁ、

どーしょっかな。って感じだ。

「ふぅん。でもまぁ一応私から忠告をあげるなら同じ服で出歩かないことね。私以外の組織の人に悟られたくないでしょ?」

確かに、困る。

「き、気をつけます。…ならやっぱ会わないようにしょっかな、」

ボソッと呟いた声が聞こえたのか

「でも。今回の彼で処女奪われた訳じゃないんでしょ?ならこの際楽しんじゃえば?」

くすくすと笑うベルモットに私は呆れ顔を向けた。

「…確かに処女じゃなかったけど、楽しめる訳ないでしょ。ベルモットみたいに誰でも構わず、ただ快楽を楽しむ痴女じゃないの。」

それに処女だって失いたくて失ったんじゃない。

「あら?痴女なんて酷いじゃない。折角貴女の気持ちを少しでも軽くしてあげようと思ったのに。でも、貴女はまずその多重人格気味た性格をコントロール出来るようになりなさいね?」
「……そーですね、」

的を射すぎていて反論のしようがなく、苦笑いで返すしかなかった。

「それで?今回のお相手さんと貴女の処女を奪った………ジンとはどちらが良かったの?」
「……今回の人。合意だし。…言っとくけどジンには無理矢理されたんだかんね?!」

この時は気付かなかったのだが、ベルモットはやっぱり根からの大女優らしくて。私は私の話を聞いているのだと思ってたのに、本当はそうじゃなくて考え事をしてた、とは気付かなかった。
PREV / NEXT

- 43 -
TOP MAIN
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -