Rojo | ナノ

Rojo

今まで、私の仕事は出来るだけ地位の高そうな幹部を見つけては誘惑して部屋に連れて行き、相手に分からないように睡眠薬を飲ましてCIAに引き渡す。引き渡した人間を組織内の書類の中では死んだ者と偽造し、暗躍を続けていた。

絶対にバレる訳にはいかない。
思いっきり体を反転させ、逆に私がライを壁ドン状態にした。

今までは位の高い幹部を相手にするのは余りにもリスクが高いため、避けてきたが……仕方ない。やるしかない。

「そうよ。私はヴェスパー。なんで私に興味を持ってくれたのか分からないけど、貴方となら部屋でゆっくり話してみたいわね。」

顔を近づけ、相手の目を見つめ妖美を漂わせる。
空いた右手でライのシャツの中に手をいれ、ゆっくりと手を這わし、
壁に置いておいたもう片方の手をライの下半身近くに置いた。

ベルモットに教わった相手の男を誘惑する方法

今まで危うくなってきたらこの方法に頼ってきたし、失敗したことないから上手くいくって思ったのに。
なのにこの男と来たら相変わらずのポーカーフェイスで見下ろしてくる。

なんて冷徹な人なの。
ふん。面白い。

落としてあげる。

私から彼の唇にキスをした。

唇を離すと、性欲を掻き立てるようなリップ音が廊下中に響き渡る。
キスの時に閉じていた目を意味ありげにゆっくりと開いた。

一瞬、ライのポーカーフェイスが崩れたように見えた。

もう一回。
今度は深めのキスをしてあげる。

上唇を私の唇で食み、一度ペロっと舐めてから角度を変えてもう一度口付ける。
今度は少し空いた隙間から舌をスッと入れ、ライの舌に大胆に触れた。

流石に女にリードされるのは気に入らなかったらしく、
誰が通るかも分からないこんな場所でするべきでないような激しいキスが始まった。

頑張ってそのキスを受け入れていた私だが、
正直こんな激しくって甘すぎるキスを余りしたことがなく、慣れていなかったため足に力が入らなくなってきて、ライの腕の袖をしっかり握らないと立てない状況になっていた。

「…んっ…っは……ライ、私の部屋にきて。」

右手をライの頬において
耳元で囁いた。
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