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そういえば。
ふとこんな事を思い出した。
それは、私がジンから初任務を言い渡された時の事だった。

内容的に相手の男に色仕掛けをしなくちゃいけない事に気付き、どうすれば男の人が私に落ちてくれるのか、どうしても分からなくて途方に暮れていたのだ。

なんせ男の人をわざと落とすなんてことしたことが無かったし。
……私には新一がいたし。
よほど私は悩んでいる人風だったのか、組織に入った時から比較的仲の良かったベルモットが私に話し掛けてくれた。

「あら?何か悩み事でもあるの?良かったら聞くわよ?」

酷く悩んでいた私はこの人に頼るしかなかった。

「んっとね、ジンから次の任務で色仕掛けをして相手の男から情報聞きだせ。って言われたんだけど、色仕掛けってどうやってすればいいか分かんなくて…。」

私は至って真面目に聞いたのに
ベルモットは何かおかしなものを見たかの様にクスクスと笑った。

「……なんで笑うの、」
「ごめんなさいね。だって、貴方みたいな人でもそんな事で悩んでたなんて知ったらつい、ね?」

「…だって私。別に男性に言い寄ったり、色仕掛けなんてしたことないもん。」

と拗ねた声で返すとベルモットは私の頭を優しく撫でながらはいはい、そうね。と言った。

「じゃあ私が直伝に方法を教えてあげるわよ。」
「え、ホントに!」

ええ。と、にこやかに言っていた彼女の顏が真剣なそして何処か妖艶な顏に変わった。

「周りに誰も居なくて二人きりのときよ。まず、ターゲットに話し掛ける時はこうやって体を近づけるの。」

そして撫でられていた手がいきなり腰に回りぐっと引き寄せられた。

「次に、話をする時は相手の目を見つめようとしなさい。」

ぐいっと顎を上に向かされた。
ベルモットの青い瞳が私を離そうとしない。

「話をしている途中は手を相手の体に這わしたり、服の中に手を入れてもいいかもね。」

ベルモットが私の腰を意味あり気に触ってきた。

「……ちょっ!、何して、」
「もしそれでも落ちなかった時の最終兵器はキスよ。いい男なら唇に。
そうでなかったら耳元の首筋にでもしとけばいいわ。」

そう言いながらおでこにキスをされた。
んっ、同性と分かっててもドキッとする。

「でもま。貴方ならそこまでしなくても落ちてくれるわよ。」
「むぅ。なんでそんな事分かるの?」

「ふふっ。そんなに疑うならジンにでも試したら?きっといい反応をするに違いないわね。」
「そりゃアドバイスどうも、……最終兵器まで行かなくてもいいように頑張りますよ。」

照れを隠しきれなかった私を母親が子供をあやすように微笑みながら私の頭を撫でてくれた。
「大丈夫よ。貴方なら大丈夫。」そう魔法の言葉を囁きながら。
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