Rojo | ナノ

Rojo

1週間後、私はルイスさんに呼び出されCIA本部に出向くことになった……のだが。

「うわぁ。広すぎぃ。」

…迷子になっちゃいました。
ココどこなの。

半ば泣きそうになりつつ、はやく副長官室に行かなきゃ、って焦りが募っていると、

「…貴方どうしたの?何処に行きたいか教えてくれたら教えるけれど?」

ウロウロと挙動不審になっていた私の目の前に現れたのは一つ結びをし、キリッとした顔立ちをした超美人さんだった。

「えっと、私、副長官室へ行きたいんですが。」
「ん、分かったわ。連れて行ってあげる」

ニコッと嫌な顔一つせず引き受けてくれた。

「助かりました。ありがとうございます。」
「貴方ココ初めて?」

こくこくと顔を上下に振ると

「じゃあ、自己紹介が必要よね。……私は水無怜奈よ。」

水無さん!
私も自己紹介しなきゃ。

「神崎菜々です。私実はCIAになりたてなんです。宜しくお願いします!」

会話をしている間に副長官室に着いた。

「ええ!私こそよろしくね。また色々話しましょうね。」
「はいっ!ありがとうございます」

出会ったのがいい人で良かった〜。
…よし、気を引き締めて入ろう。

ーーコンコン……

「神崎です。」
「…どうぞ。」

男性らしい威厳のある声で返事を貰ったので扉を開ける。

「ロサンゼルスから遠いのによく来てくれたね。感謝するよ。」
「いえ、滅相もないです!」

申し訳なさそうに謝りながら言われるからこっちこそ申し訳なくなる。

「いきなりだけど、今回呼んだのはだけど、君は確か大学のコース選択は薬学科に進んだそうだね。」
「はい。何かと知識があった方がいいかと思いまして、」

「そこでなんだが、君にはその経歴を活かして組織に科学者として入って貰いたいんだ。…だが、ジンは……組織でも高い地位を持っているある幹部の男は、君のその銃の腕を見破るかもしれんがな、それでも、君にはその方法で入って貰いたい。」
「勿論です。分かりました、用件はそれだけですか?」

「あぁ、盗聴される危険性を無くしたかったのもあるが、どうせなら君にもCIAでの知り合いも作って欲しかったんだ。…相談相手がいる方が楽かな?と思ってね、」

CIAの人間としてこんな事言うのはあんまり宜しくないかもしれんがな、と苦笑いに言ってくれた副長官の気持ちと気遣いに心がじわっと何暖かいモノが溢れてきた。
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