ヤバイ……
これはヤバイ。
母さん、とんでもないのを菜々に着せやがった。
ピンクのネグリジェが菜々の美しさと妖艶さを更に引き出しているのだ。
正直。好きな女を目の前にして何も手を出さないって言うのはなかなか辛い。
「新一?」
「え、あぁ、わりぃ。……もう遅いし寝るか。」
「………うん、」
言って気づいたけど、今の言葉ってなんか誘ってるみたいになっちまった?
気になって菜々の方をチラッと見ると菜々の顔も赤みがかかっているようにも捉えられる。
「ほら。寝るぞ。」
「あ、うん。」
何でもないように言ってはみたが、
それでも少し緊張気味の菜々だったので、俺はベッドの上に寝転がり
「ん、ほらココ来いよ。」
菜々がこちらに来やすいように
ポンポンとベッドを叩いた。
すると照れたようにベッドの上に上がり俺のすぐ横に寝転がってきた。
なんとなく気まずいのもあり、沈黙が俺たちを包み込む。
俺もいまいちタイミングが掴めず、どうすっかな?と思案していると、
その沈黙を破るように菜々が話し出した。
「……新一。ありがとね。こんな彼氏をほったらかすような女を彼女にし続けてくれて。
だから、今日あんなに喜んでもらえて嬉しかった。本当はもう愛想尽かされてもおかしくないのに。」
顔を見られたくないのか
菜々は顔をうずめるように体を丸めた。
「バーロー。俺はお前が好きだから付き合ってんだ。お前との繋がりがどんな形であろうと欲しいんだ。それにな、……昔から俺がずっと好きなのはずっと菜々だけだ。それはもう変わらない。」
安心させてやりたくて菜々を上から優しく包み込んだ。
すると菜々はまるで縋るように、
離さないでと言う様に"ぎゅっ"と俺の服を握った。
「………!」
菜々から硝煙の香りが微かにしたのに加え、前には無かった様な引き締まった筋肉に気づいた。
風呂に入ってでも、なかなか取れない香りということは日頃からその香りに包まれているからになる。
菜々……オメーに一体何が起こってんだ?
俺にもまだ、言えねぇか?
そう思ったのだが、菜々から伝わってくる体温が気持ちよくて俺の思考は徐々に沈んでいった。
だから、深く考える暇もなく意識が夢の世界へと落ちてしまった。
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