Rojo | ナノ

Rojo

ガチャ………

「ん?母さ…ん……!!?」
「………っ。」

新一が出てきた。
でも、
それはお風呂上りだったらしく髪が少し濡れていて、ダボッとした寝間着用のズボンと簡易にパーカー1枚を着ただけの姿だった。

パーカーのファスナーを途中まで上げているものの彼の胸板がモロに見えている。そして程よく筋肉がついてすらっとした身体は私の目を惹きつけるのに十分だった。

「久しぶ………きゃ!」

新一は私を見るなりすぐさま私の腕を引き部屋の中に入れ壁に私を押し付けた。
そしてまるで逃がさないとでも言うように貪るような激しいキスをし続けて。

「んっ…っあ。…しんっ、いちっ…」

浅く、深くを繰り返しながら侵入してくる舌の動き応えようとするが次第に頭がだんだん痺れてくる。

「ぅ……んっ」
「…菜々…っ…」
「ん、ァっ……は、ぁ……んっ」

自然と漏れる声。
映画のワンシーンのようなキス。

暫くして息苦しくなり新一の胸板をトントンとする。
すると名残惜しそうに唇をゆっくりと離した。

「……菜々。会いたかった。」

新一がギュ強く抱きしめてくれた。
私も抱きしめ返す。
新一の温かい体温が気持ちいい。

「……ん。私も。電話の声だけじゃなくて新一の顔がちゃんと見たかった。」

新一の、体温だ。

「よくこの部屋だって分かったな?」
「うん、有希ちゃんが教えてくれたからね。……迷惑だった?」

ちょっと心配そうに聞くと
新一はフッて笑って答えた。

「バーロー、んなわけねぇだろ?……最高のサプライズだよ。」

その言葉に嬉しくなって笑みがこぼれた。

「あとな、ドレス。すげー似合ってる。…可愛いすぎ。」

照れながら言ってくれた新一の方が可愛いかった。

新一の胸板に顔がくっつく。
新一……ちゃんと男なんだなぁ。
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