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Rojo

私は今ドアの前にいる。

あるホテルの部屋の前に。

***

『じゃあ!菜々ちゃん!私のお願い聞いてくれる?』

ニヤリと企みを含んだ様な顔と声で有希ちゃんが聞いてきた。
私は勿論!っと応えると有希ちゃんはニンマリと微笑みながら私にお願い事をしてきた。

『え?ドッキリですか?』
『ええ!そうよ!新ちゃんったら菜々ちゃんと暫く会えてないから最近機嫌悪いのよ。だから、新ちゃんに菜々ちゃんの可愛い格好をみさせて元気になって貰うの!イチャイチャし放題!ねっ、いい考えでしょ?』

イチャイチャって・・・。
仮にも新一の母親だろ。

ていうか、

『新一コッチに来る予定なの?』
『あっ、実はね1週間後に新ちゃんをコッチに呼ぶつもりなのっ!始めの日は《Golden Apple》の舞台に連れて行くつもりだから、その3日後に作戦開始。名付けて!"新ちゃんを喜ばせちゃおう大作戦"!』

『……まんまですね、』

***

なんてなことがあり、
有希ちゃんに買ってもらったこのドレスで新一をドッキリするため

この新一の部屋の前まで来たのだ。

ココに来る前に有希ちゃんから
〈部屋には新一1人しかいないから安心してね♪〉とLINEが来たのだが、

有希ちゃんが新一はこの部屋に"1人"なんて言うから!ムダに緊張してきた。

うわ、拒否られないよね、私。
てか、今来てよかったのか?

恐る恐る備え付けのインターホンに指を伸ばした。
あと、あとほんの数ミリで押せるってトコロで、一瞬躊躇もしたが
意を決心して押した。

ピンポーン…

すぐに「はーい!」って言う新一の声が聞こえた。

ヤバイ。異常に心臓がドクドクいってる。

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