2年後ーーー
「あ"ぁ"ーーー!課題!課題が終わんない!それより次のテストだよ!なんで?なんでここ!?なんで苦手なんくるかなぁ!?」
見るだけでイヤな気分にさせてくる溜まりに溜まった課題。
めんどくさい。めんどくさい。
でも、これをしなくちゃ内申点ガタ落ちになるんだよなぁ。
仕方ない、やるしかない。
冷蔵庫から一つケーキを取り出し、机の上に置いた。
地道にやれば終わるさ。
今までもなんとかやってきた。
言葉の壁だって乗り越えてきたし、
ここまで、試験だって合格してきた。
飛び級制度をフルに利用し尽くし、あと、1年もすれば大学卒業も夢じゃない。
だが、修士課程は取らず、学士課程までで一旦終わろうと考えている。
私が目指すのは薬の研究員じゃない。
あくまで、出来るだけ早くCIA に入ることだ。
「あと少し。あと少しでCIA に入れる!」
夢に一歩近づいた現実感は私を少なからず興奮させた。
最近は、課題やらテストやらで行けない日もあるが、
私は変わらず週に2日は射撃場に通っている。
だが、あれから一度も赤井さんは来なかった。
やっぱり、あの時の約束は社交辞令の様なものだったのだろうか?
うそつき。会えるって言ったのに。
考えすぎると会いたくなる気持ちが強くなりすぎるので、
余り考えないようにはしているが、
つい。つい無意識に考えてしまう。
赤井さんに、………また会いたいのに。
どうしよもない言葉が、どうしようもなく溢れてくる。
はぁ、私には新一というカッコイイ彼氏がいるのに。完璧これは浮気だわ。
自分の不純な考えを取り除き作業に取り掛かろうはとしたその時だった。
Prrrr…
携帯の着信音と特有の無機質なバイブ音が部屋に響き渡った。
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