Rojo | ナノ

Rojo


久しぶりに射撃訓練をしようと思い
訓練所に足を運んだ。

「Hey!! 久しぶりだな!シュウ!」
「ああ。急に思い立ったもんでな」

「実はな、シュウ。もうすぐお前の最高スコアを追い越しそうな娘がいるんだ!これがまた可愛くてな!しかも才能がある!」
「ホー。何ヤードだ?」
「今650ヤードに挑戦しとる。だいぶ苦戦しとるみたいだがな。」

その言葉に赤井は驚きを隠しきれなかった。

「どうだ?その娘に教えてやってくれないか?かなり悩んでるみたいなんだ。」
「……俺の気分が乗ったらな。」
そう言い残した。

***

「ん"ー!!当たんなーーい!」

少し高めの女の子らしい声が聞こえてきた。
マスターが言ってたのはあの娘かと思い近づく。
赤みがかかった茶髪のロングウェーブに誰もを虜にさせるような美しい容姿に無性に惹きつけられた。

「ホー。その歳で650に挑戦か、やるな。」

そう言えば彼女は驚いたように、さっと立ち上がると、苦笑いをしながら去ろうとしたから、
俺は、無意識のうちに彼女を引き止めていた。

「待て。……マスターから聞いた。なかなか650ヤードが当たらないらしいな。」
「あ、はい。そうです。……じゃあ私はこれで……」

ーーーパシッ!

どうしても去りたがる彼女を引き止めたくて、
普段なら強いられなければ言わないのに、

「俺が教えてやる」

気付いたら勝手に口が言っていた。
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