Rojo | ナノ

Rojo

新たな週が始まり、心機一転して心が洗われたような気分になれる。
特に、昨日の新一との水族館デートの事もあり、気分がすこぶる調子が良い。

「よしっ!…もうこの学校ともお別れだし、あと2日頑張ろ!」

そう。アメリカに行く為に実はあと2日でこの学校を去らなければならない。その事は工藤家の人と学校関係者しか知らない。
私が去るまで口止めをしてるから。
次の教科の数学を準備しようとした時だった。

「あっ菜々!えっと……」
「今日放課後空いてる?」

背後から蘭と園子に呼び掛けられた。

「……うん。空いてるよ?」
「じゃあ、今日は一緒に帰りましょ?もちろん三人で!」

この2人に話掛けられるのは、久々だ。私なんかしたかな?
正直、嫌な予感しかしない。

***

「話って何?どうしたの?」

連れてこられたのはポアロだった。

「実は私達、昨日菜々と新一くんが2人で水族館にいるところを見ちゃったの。……ばっちりキスしてるところもね。」
「だっ、だから、2人は付き合ってるのかな?って気になっちゃって。ゴメンね?こんな質問。菜々も迷惑だよね、」

どうも昨日の光景を見られたらしい。それで呼ばれたのか。
うん、正直迷惑だな。

「まぁ、付き合ってますね。うん、」

そう正直に応えただけなのに、

「マジで!?付き合ってんの!?いつから?」
「……。園子と蘭と喧嘩した日?ですかね、」

なんか、喧嘩した日って
自分から言うの言いづらいわぁ。

「そんなに前から!?なんで言ってくれなかったの!?」
「……だって、聞かれてないし。わざわざ言う事でもないかと。」

ホントの事いっただけなのに、
園子は怒りと哀しみを露わにした顔で、机をドンッ!!と叩いた。

「(ビクッ!)」
「……蘭はどうなるのよ、蘭は!?新一くんを取らないであげて!」

捨て台詞を残し、そのまま蘭の手を掴み、店を出て行った。
ははっ。完全に私が悪役だな。
いつもこのパターンだ。
上手くいかなくて思わず自笑が漏れる。

人間関係って難しい。

チョット明日から学校行くのはさすがに気まずい。どうせあと2日だけだし?
ゆきちゃんに頼んで、明日から学校を辞めさせて貰おう。

そう決めたら園子達が感情に流れを任せたまま出て行ってしまったので、仕方なく三人分の会計を払ってポアロを出た。
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