Rojo | ナノ

Rojo

「あれ?ねぇ、蘭!あれって新一くんと菜々じゃない!?」
「え?……ホントだ。」

ちょうど同じ頃。
タイミングが良いのか、悪いのか。
蘭と園子もこの米花水族館に遊びに来ていた。

「新一くんあの時付き合ってないって言ってたのに!まさか付き合ってたの?」
「分んないけど、私達みたいに遊びに来てたとか?」

だが完全に恋人同士のような甘い雰囲気を醸し出しているようにも見えることに、蘭も園子も気づいていた。

「園子ぉ〜。」
「蘭!そんな顔しない!私が聞いてきてあげるから!」

蘭が心配と悲しそうな顔をするので、居てもたっても居られなかった園子は、直接2人に聞こうと決め、歩き始めたまさにそのトキだった。

「「え……。」」

キスしたのだ。
2人が。
それも、恥ずかしがって普段なら人前では絶対しなさそうな新一から。
菜々も菜々で、顔を赤くして拒絶する気もなさそうだった。

「あれって…」

園子はヤバいトコロを蘭に見せてしまったと本気で思い、蘭の顔を見ると、今にも泣き出しそうな顔をしていた。

「蘭!明日聞こ!2人に直接!ね、」
「でも、あれは絶対付き合ってるよ。私は、ジャマしちゃ……ダメだよ。」
「あのね?蘭。付き合ってるからってジャマしちゃいけない恋はないの!分かった?じゃあ、帰って早速作戦練ろ!」
「ありがと、……園子。」

園子は、蘭の腕を掴んで走り出した。
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