「うわぁ!凄い人だかりだ。」
「人気すぎるだろ……」
あの後すぐに移動して米花水族館まで来たんだけど、あまりの人の多さに驚かされた。
「ねぇ新一……来たのはイイけど、イルカショー見えるかな?」
ちょっと苦笑いギミに新一に言ってみると、
「心配すんな!チケットはもうとってあっからさ。」
「え!とってあるの!?ありがと!」
思わずテンションが上がって新一に抱きついた。
「ちょっ、菜々!」
照れて顏を赤くしてるけど、だって嬉しかったんだもん!
それに、ちょっと役得。
***
「きゃあ〜〜」
声でどれだけ菜々のテンションが上がっているかがよく分かる。
入って暫く経つと1番目に入ってくるのは壁一面の大きな水槽に大小さまざまな魚。
そして、周りにはポール状に立っている水槽があり、そこには小さなクラゲが居たり、よく分からない生物が居たりした。
確かにテンションはあがるな、これは。
園内が少し暗めだから神秘的な世界に囲まれてるみたいだし。
「菜々あんまり俺から離れんな。……迷子になる」
「なりませんー!………あっ!新一、ちっちゃなフグさんいるよ!コッチきて、早く」
菜々の呼ぶ声に応答して近づいて行くが、分かってんのか?コイツ?
普段の何倍も可愛いせいで、周りの男共の目を引いてるのを。
菜々が俺の名前を呼ぶ姿を見て諦めるヤツも居るが、中にはそうでないヤツもいるだろう。
だから出来るだけ俺の側にいて欲しいんだけど。
まぁ、菜々すっげえ喜んでっから俺がしっかりするしかねぇな。
「新一!この子、ハチノジフグってゆんだって!可愛いねぇ〜」
バーロー。おめぇの方が可愛いよ。
「菜々」
「うん?………んっ!」
菜々の腰を引き寄せ、唇を重ねた。
「オメーの方が可愛い。」
ほら。すぐに顔を赤くさせるトコロがまた、たまんねぇな。
「もう!新一のバカ。誰か見てたらどうすんのよ。」
分かってねぇな。誰かに見せるためにしてんの。
あんま可愛くなりすぎるなよ。
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