設定 煉獄杏寿郎と夫婦。煉獄さんはさつまいも(の味噌汁)が好き。

「私の方が愛してます!!!」


「いや!俺の方が愛している!!!」



「いいや私の方よ!」



煉獄家

夕飯の支度前に炎柱の煉獄杏寿郎とその嫁の名前が言い合いをしていた。
かれこれ同じようなセリフがしばらく続き先に折れたのは名前。


折れたと言っても話がつかないと思い「わからずや!もう知らない!」とそっぽ向いて台所へ向かってしまう。


名前は後ろから「よもや!」という声が聞こえた気がしたが無視をしてしまう。



言い合いが始まってから数分後からは千寿郎がその様子を見守っていた。

千寿郎はこれは喧嘩なのか、じゃれ合いなのかわからず見守ることしかできていなかった。
台所にきた名前の様子を見ると喧嘩していたということを察する。


「名前さん、兄上と…」

「喧嘩しました。」


むすっとした顔をして答える名前。
千寿郎は少し心配するものの、喧嘩の内容としてはとても微笑ましいものだと感じている。


そのままいつも通り名前と千寿郎は夕飯の支度を始める。


この日の献立は夕飯を作る直前に名前が決めたもので、名前が食材を取りだして千寿郎に「これはこれであれを作って」と指示をして手分けして夕飯の支度をしていた。


夕飯の支度をしばらくして進めていると千寿郎はあることに気づく。

「兄上と喧嘩しているんですよね?」


味噌汁を作っているのか鍋に味噌をとかしている名前に問いかける千寿郎。「そうです」と返事をされる。



「でも…」


「でも?」



「今名前さんが作ってるのさつまいもの味噌汁ですよね」



「…」


名前は黙り込んでしまう。



「さつまいもの味噌汁、さつまいもご飯、さつまいもの甘煮…」



千寿郎は自分の指を使って夕飯を確認していると全て言い終える前に名前の表情が無表情のまま赤くなっていることに気付いた。



「もしかして無意識でしたか」



「おっしゃる通りでございます………」



千寿郎の目線から顔を逸らし恥ずかしながらも味噌汁をかき混ぜる名前。
それを見た千寿郎は笑顔で名前を見守った。



「兄上、喜ぶと思いますよ」


「あ、ありがとう…」


「そういえば名前さんの作るお味噌汁美味しいのですけど、何か隠し味でも?」


「あぁ、出汁とお味噌だけでなくお醤油を入れているの!」


美味しいと言われ素直に喜び笑顔を見せる名前。

2人は着々と笑い合いながら作業を進め夕飯を作り終えた。


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とっぷ