あれからどれくらいの月日がたったであろう。

苗字名前は煉獄家に住み込み、炎柱である煉獄杏寿郎がいる時には稽古をつけもらい、
任務に出ている場合は自身のみで稽古に励んでいた。

とはいっても苗字も鬼殺隊の一員。
鎹烏から任務だと指示されることも数回あった。


これらが重なり毎日師範に稽古をつけてもらうということもなく、むしろ会う回数が少なくなってしまった。


貴重な師範からの指導を的確に自信にみにつけていたところ、いつのまにか全集中常中も出来るようになり、独学であやふやであった炎の呼吸も師範の足元にも及ばないがしっかりとした技になっていた。


あきらかに継子になる前よりも強くなっていると実感が湧いていたが、「師範を超える」と宣言してしまった為これで満足もしていられない事に改めて痛感し稽古に励んだ。


「苗字!」



後ろから聞きなれた声で呼ばれ振り返るとそこには苗字の師範である杏寿郎の姿。



「任務からお帰りになったのですね、お疲れ様です。ご無事で何よりです!」


「うむ!」



笑顔で師範に向け挨拶をするといつも通りのハキハキした声で返事が帰ってきた。



「苗字!明日柱合会議があるのだが苗字さえ良ければ来るといい!継子として紹介させて頂きたい!!」


「柱合会議…?」


苗字にとって初めて聞いた言葉だった。

半年に一度鬼殺隊本部に集い、御館様を交えての会議だと杏寿郎は丁寧に説明をした。


「明日はよろしく頼む!!」

私が行っていいの?と疑問に思い考える暇もなく思っていることが読めたのか杏寿郎は苗字の返事を聞かずに決めてしまった。


師範はいつもこんな感じだよなぁと思いながら納得し苗字は柱合会議に出席することとなった。
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