瞳の中の彼
もう会えない。
私はそう思っていた。
しかし、彼はつい数秒前に私の目の前に現れた。
おかしい。こんな場所にいるはずがない。大体、今投獄されているはずではないか。
どうして、どうしてジェラールが自分の前に――
『エルザ』
『――ジェラール』
声や姿は間違いなくジェラールそのものだった。
しかし彼は以前思念体のジークレインという男を作っていたことがある。
いや、でも、しかし。
あそこで魔法は使えない筈だ。
『幻、か…?』
そうだ、きっとそうに違いない。
私は自分自身に強く言い聞かせ彼を見る。
『オレは本物だ』
どくん。心臓が大きく跳ねる。
『本当に、ジェラールなんだな…?』
『あぁ。オレはジェラールだ』
さっきまで疑っていたのが嘘だったかのように、ジェラールの言葉はすんなりと耳に入っていった。
まっすぐ私の目を見つめる彼の目からは"嘘"は感じられなかった。
――――――
久々に書いた。
最近脳内がジェラエル一色なので書きやすかったです。
ちなみにこの続きは気が向いたら書きます。
でもこの続きは皆さんの想像に任せた方がいいような気がします(´・ω・`)
この二人には幸せになってもらいたいです。
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