アネモネ
 



『ねぇ、ナツ。ナツはルーシィのこと好き?』


今日は久しぶりにルーシィとハッピーとオレの3人で仕事へ行った。


今月の家賃がピンチだというルーシィのために、物を壊さない簡単な仕事を選んだ。


そしたら午前中に終わっちまったから、今はカウンターで食事中。


『はんはおきゅうい』


『ナツ、食べ終わってから喋りなよ。ちなみに今のは なんだよ急に って言ったんだよ』


『よく分かるわね。流石ハッピー!』


片手を挙げ自信満々に言うハッピーに、そんなハッピーを誉めるミラ。


『よく分かったな!流石オレの相棒だ』


『で?ナツはルーシィのこと好きなの?』


ハッピーを誉めて上手く話を逸らせたと思ったのにミラは簡単には話を逸らさせてくれない。


『そんなこと聞かなくても分かるよ。どぅえきてるもんね!』


『できてねーよ!』


ふ、とミラがハッピーを見る。


『あ、そういえばハッピー!さっきシャルルがハッピーのことを捜してたわよ?』


『シャルルが!?オイラ行ってくる!!』


待っててねシャルルー!!
うぱー!!
と言いながらオレの相棒はギルドを出ていった。


『ハッピーも行ったことだし、ルーシィのこと好きかどうか聞きたいんだけどなぁ』


ルーシィが近くで聞いていないかと思って捜してみたが、レビィとの話に夢中になっていてこちらには見向きもしない。


『ルーシィのことは好きだぞ』


『ふーん。それは仲間として?それとも1人の女の子として?』


『え、あ、仲間として、です』


怖ぇ。
ミラがエルザよりも怖い。顔は笑ってるのに目が笑ってねぇ。


『ナツ。嘘はよくないわよ?最近のナツの行動を見てると、ルーシィのこと1人の女の子として好きだと思うんだけどなー』


『……なんで分かったんだよ』


『だって最近のナツ、ルーシィのこと目で追ったりルーシィがグレイと話してるとすぐ邪魔に入るじゃない』


『…そんなことしてたのか、オレ』


『まぁ最近まで自覚無し、って感じだったものね。』


『…まぁな、ガジルに言われるまで気付かなかった』


『あら、ガジルになんて言われたの?』


『好きならとっとと告白しちまえ。って……』


ガジルに言われたのがショックだったが、この気持ちに気付けたから取り敢えずは良かった。


『それで気付けたなんて、ナツ成長したわねぇ!』


『馬鹿にすんなよ』


『誉めてるのよ。あ、そうだ。これ貸してあげるから自分で好きなの選んでルーシィにあげたらどう?』


『なんだこれ?花言葉…?』


ミラが取り出した本は花言葉がたくさんのっている辞典だった。


『そう!ルーシィ本好きでしょう?だから花言葉も多分わかると思うのよね。それに、普通に告白するよりもこっちの方がロマンチックだと思わない?』


確かにそうだ。
ルーシィは本で得た知識が豊富だ。
それに花も嫌いじゃないはずだ。
これならオレの気持ちがストレートに伝わる気がする。


『分かった。サンキュー、ミラ!』


『頑張ってねー!』


ナツは早足にギルドを出ていった。


『ふふっ。ナツがどの花をあげるのか楽しみだわ』


――――


『花、かぁ…。別にどれも同じな気がすんだけどなー』


パラパラとページをめくるが、全部のページに花の写真や説明等が書いてあってどこから見ればいいか分からない。


『ん?おっ!この花いいじゃねぇか!』


ナツは走って花屋に向かった。


――――


『おかえり』


『不法侵入ー!!!』


『なんでそんな堂々とソファーに座って…って、あれ?ハッピーは??』


『多分ウェンディんとこ』


『そうなの。じゃああんた1人で来たの?』


『おう。これ渡しに来た』


ルーシィが不思議そうな顔でオレを見てくる。


『…ほれ。これやるよ』


ルーシィの目の前に鉢に植えられている赤色の花を出す。


『え?何、これ?』


『あん?なんだよルーシィ、この花知らねぇのか?』


ルーシィが知らなかったらオレが花の名前から花言葉まで全部話さなきゃいけねぇじゃねぇか。


『いや、知ってるんだけど…どうしたの?これ』


『買ってきた』


『か、買ってきたって…あ、あぁ、あたしに…?』


『おう。ルーシィ以外の誰にやるんだよ』


目の前にはオレの買ってきた花――アネモネを抱えて真っ赤になっているルーシィがいた。


『ありがと…』


小さい声だがオレにははっきりと聞こえた。


『え、と、あんたのことだから知らないとは思うんだけどこの花、アネモネの花言葉って知ってるの?』


『知ってるに決まってるだろ』


なんだよ、ルーシィまで俺のこと馬鹿にしやがって。知らなかったらこの花を選ぶ理由がねぇじゃねーか。   

『知ってるの!?え、ちなみにどれ…?』


確か、アネモネの花言葉はいっぱいあったはずだ。
とルーシィは考える。


『どれ、ってそんなたくさんあったか?』


『あるわよ!!確か…儚い恋とか薄れゆく希望とか…』


もう夜遅くなってきた為、ナツは窓に手をかけ、帰る準備をしながら答える。


『そんなのもあんのかよ。俺が見たのはもっとストレートなやつだったぞ』


"もっとストレートなやつ"そのキーワードとナツの性格を考えると一つしかない。


『―っ!!』


『じゃあまた明日。おやすみ』


ナツはルーシィの真っ赤になった顔を見て、自分の気持ちが伝わったことを確信し窓から下へ下りた。


『なっ、ナツ!!』


ルーシィが窓から身を乗り出してナツを呼ぶ。


『返事は明日聞かせろよ』

それだけ言うと、ナツは夜道に消えていった。


ずるずると、壁に背中を預けたまま座り込む。

狼狽えながらも、もらった花はしっかり抱えて。


『明日どんな風に話せばいいか分かんないじゃない、バカ』


バカ、と言いつつもルーシィの顔は幸せに満ちていた。


アネモネと、アネモネの花言葉「君を愛す」をナツが贈ってくれたから――








――――――

わぉw(゜o゜)w
gdgdww
あまりのグダグダっぷりに途中で投げ出しそうになりました。

本好きだからといって、花言葉が分かるという訳ではないですよねー。
どうしたんだろうか。

挙げ句、ナツじゃなくなった。
誰だよこいつ!!
って書いてる途中に思いましたww

雪の好きなマンガにアネモネが出てきて、アネモネいいなぁ、と思ったのが書いた理由。

雪の脳単純すぎるww



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